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「なぜそれを言ったのか」を考える価値:メディアリテラシー

「なぜそれを言ったのか」を考える価値

 
§目次
■「お前の脳は腐っている」
■「君は銃で撃たれるべきだね」
■言葉は独り歩きする
■メモ
 







■「お前の脳は腐っている」

・トーマス・エジソンが小学校時代に教師に言われた言葉。エジソンは小学校退学。
 
・当時のエジソンがやったことが、
物が燃えるとはどういうことが→藁を燃やす→納屋まで焼ける
「空が飛べる薬だよ」と友人に薬を飲ませる→死にかける
授業態度は質問攻めか話を全く聞いていないかのどちらかだったらしい。
 
大人になってからもニコラテスラとの直流vs交流電気で約束を保護、直流派のエジソンが交流電気を使った電気椅子での処刑でイメージダウンを測ったなどの話がある。
 
フォロー無理。まぁ、エジソンに限らず偉人扱いされている人間は注目度が高いからか、この手のエピソードも豊富だったりする。
 

■「君は銃で撃たれるべきだね」

ジョージ・バーナード・ショーがビアボーム・トゥリーに言い放った言葉。
 
劇作家である彼の作品『ピグマリオン(マイ・フェア・レディの原作)』は人気があったが、ラストでヒロインイライザとヒギンズがくっつかず、一見ハッピーエンドとは呼べない形であった。観客からもハッピーエンドを望む声が多かった。
 
劇場主兼主役のビアボーム・トゥリーはこれに応えたのか「それっぽい」ラストに多少改変した。これを知ったショーは激高したらしい。
 
「私の結末は儲かるんだから、君は感謝するべきだよ」と告げるトゥリーに対して、
「君の結末は最悪だから、君は銃で撃たれるべきだね」と言い返した。
 
よほど不愉快だったらしく、イライザがヒギンズと結ばれることが「どれだけありえないことか」を後にわざわざ書くほどだった。
 
後日ピグマリオンは映画化された。世論を汲み取って大分「妥協した」ラストを加筆し監督に送ったらしい。そしたらそれ以上にまたラストが改変された。ショー激おこ。
 
・バーナード・ショーは男女平等論者だったらしい。これは推測だが、もしかしたらイライザ(コックニー訛りの花売り娘)がヒギンズ(イライザに公爵夫人として通用するほどの振る舞いを身に着けさせようとする)から「独立」する話を初めから書きたかったのかもしれない。
 
そうだとするとラストを改変され二人がくっつくことが、それこそ「ありえないこと」になる。まぁ見たことないから知らんが。
 
「作る側」と「売る側」の確執は現代でも見かける話だし、大抵売る側が勝手なことをする話が多い。作り手からしてみれば、どの道他人に改変され、いかにもこれが完成形でございと売り出されたら面白くはないだろう。まぁ「勝手に」改変したのがこの件でも現代でも焦点なことが多いが。
 




■言葉は独り歩きする

・通常、言葉は前後のやり取りや背景などとセットで意味を汲み取る。これは無意識にやっている。「会話」なら。そういった「全体から見た一部分としての意味」と「言葉だけの意味」は元から違う。
 
ただ、マスコミやツイッターでよくあるが「部分を切り取り、そこだけ拡散する」ことが可能でもある。そうなると「背景」は切り捨てられ、「言葉だけ」でその是非を問われている場面も多い。
 
今回まぁなんというか、「強い言葉」を選んだのはそのためだ。
 
是非を問うならまだ良いが、印象だけで断じられることも多い。例えばトゥリーが経緯を知らないあなたに「ショーに死ねって言われた」と泣きついたらどうか。どの道ショーは言いすぎだとは思ったかもしれないが、そう思う「強さ」は同じかどうか。
 
一見エジソンの話はこの件については弱いと思われそうだが、私たちは彼らを成功者としてみなしているし、件の発言は先に知っていたとしても「無理解な罵倒」としてしか見なかっただろう。
 
実際の所は、どう考えても自分の子供のクラスメイトだったら親がゾッとするようなことをしている。あなたが親だったとして、自分の子供にエジソン少年と仲良くするよう言うだろうか。
 
・これら「発言の切り取り」はアンフェア以前に「論ずる意味がない」。言葉だけ見た人間のイメージとは元から違うからだ。言葉狩りをしたいなら話は別だが、勘違い、または過剰反応を「させる」以外には効果がない。
 
ただ、関心を呼ぶには十分だったりする。だからよく使われる手法でもある。
 
悪意とも限らず、例えばツイッターなら文字制限、番組だったら時間制限がある。その他でも大抵の場合は「締切」や「制限」があるだろう。或いは単純にボキャブラリーの問題。その中で起承転結を詰め込もうとするならば、意図せずとも誤解させるような「編集」は行われることはある。
 





 
もちろんそれ以外の「目的」を持って意図的に、騒動或いはターゲットのネガティブな印象付けになることを狙ってやる者もいる。つまり印象操作やネガティブキャンペーン。奇しくもエジソンがよく使った手らしい。
 
・根本的な話、ノーリスクで鵜呑みに出来る情報なんて何一つないだろう。たとえ相手が誠実でもだ。もちろん一々精査なんてしてたらそれだけで日が暮れる。そういった意味では直感や印象とは即座に「暫定的に」判断する一助とはなっている。ただ、あくまでも暫定であり、それを忘れないほうがいいだろう。「決定」してしまえば、後に引けなくなるかもしれない。
 
単純にコミュニケーションツールとして「話題のネタ」の共有をするというのも多くある。この場合真偽は元からどうでもいいのだから、どっち付かずのことでも言っときゃ良いんじゃないか。或いは頭に「もしそれが確実なら」と付けるとか。
 
・拡散する際、「誰が」「何を言ったか」は残り続けるが、「どうして」言ったかはカット或いは簡略化されやすい。元から軽視されている傾向があるようにみえる。だが「真意を汲む」には重要な点ではないか。人間、クセや習慣以外は動機がないとやらないだろう。
 
・面白いことに、一対一の場合、相手はほぼ「なぜそうなったのか」は確認するか、確認しづらい場合聞き流して真に受けないか、別ルートで確認する。しかしTVやSNSなどで拡散され、騒動となり、「既に雰囲気が“出来上がっている”場合」にはこの確認を飛ばすことがある。群集心理に近いのかもしれない。大勢が「そうだ」と言っているのだから、みたいな。
 
だから恐らくは個人の性格云々以前に「場」の支配力とその抵抗力の問題かと思う。後は慣れか。
 
・一番危険なのは、所属しているコミュニティの口コミだろう。同調圧力のせいで止まらない可能性がある。
 
・まぁ肯定的な言い方をすれば、「背景や経緯を理解すれば深みが増したり、印象が変わったり、別の可能性が見えてくるかも」という、それだけの話。
 

■メモ

・最近ではこういった勘違いの仕方をするケースも減ってきたようなきがする。未だにいるっちゃいるが。
 
・バーナード・ショーの語録は面白いものも多い。
「あなたが一番影響を受けた本はなんですか?」
「銀行の預金通帳だよ」
 
・最近ではガチ識者のツッコミが即座に入ることも多いのでリアクションする前に時間を置くと吉だろう。
 
・これらはもちろん気になるなら、の話だ。そしてストレス管理の上で最も有力なのは「気にしないこと」であることも告げておく。
 
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