酒鬼薔薇聖斗:絶歌はなぜ出版された?
平成9年に起きた神戸市須磨区の連続児童殺傷事件で、加害男性(33)の手記「絶歌(ぜっか)」が出版、発売されてから10日で1カ月。出版の是非や内容をめぐる波紋が収まらない。
どんな事件を起こした人間かはみんな知っているだろうから、そのあたりは割愛。
こいつは確か、当時中学生だったんだけど、事件の異常性、凶悪性から雑誌【FOCUS】が顔写真を掲載。あいにくこの時は実名報道はされなかったが。
自分で脳内設定した神を信仰したり動物虐待したりと事件前からだいぶおかしかったらしい。
ちなみに【FOCUS】は新潮社から創刊されたが、あいにく2001年休刊に。新潮社といえば川崎中1殺害事件の主犯の18歳も、【週刊新潮】で実名報道している。何か引き継がれている理念でもあるんだろうか。
そもそもの出版の経緯
出版関係者によると、加害男性は当初、幻冬舎に出版を持ちかけ、幹部が25年初めに男性に面会し、編集作業が始まった。
実は『絶歌』は、太田出版ではなく幻冬舎から出版される予定だったのです。
それを幻冬舎の見城社長が途中で出版を降り、太田出版に紹介したということのようです」(出版関係者)
太田出版は被害者遺族に連絡をしないまま出版。
酒鬼薔薇が自分から「売り込み」をかけたと。この時点でだいぶ気持ち悪い。事件当時の加害的なナルシズムや自己顕示欲が未だに残っているのだろうか。
また、出版の経緯に対して幻冬舎が自ら出版せず、太田出版を紹介したということも批判の対象となっている。
幻冬舎は無関係なのか?
はじめに酒鬼薔薇聖斗が売り込みをかけた幻冬舎。最終的に太田出版にバトンタッチするわけだが、その時点でどこまで出来上がっていたのか。
最初の経緯ははっきりしないが、幻冬舎は数年ほど前、少年Aとコンタクトをとり、それ以降、出版に向けてプロジェクトチームを組んで原稿を完成させていた。
実際、今年になり「週刊新潮」がこの動きをキャッチ。「『少年A』の手記出版を企図した『幻冬舎』への風当たり」(1月29日号)として記事にしている。
この時の取材にし対しては、元少年にあったこともない、万一出したとしてもいけないのか、いまさら出版しても売れないだろう、とか答えていたそうだ。実際には、
「幻冬舎で「元少年A」の手記出版に向け動いていたのは間違いない。見城社長直々でね。見城は「元少年A」と何度も会い話をしながら原稿の手直しも進めていた。その上、経済的に困窮していた「元少年A」に印税の前払いとして百万単位の金を渡していたらしいです」
それなりに時間と金の「投資」をしていたようだ。だが、百田尚樹の「殉愛」でしくじった幻冬舎は出版したら間違いなく荒れる絶歌を出すのが怖くなり、太田出版に話を持ちかけた、という話にこの記事ではなっている。
まぁ、仕込みは幻冬舎側で殆ど完了していたのではないだろうか。
◆
幻冬舎側で出せなかったもう一つの理由として、出版に対して東野圭吾が幻冬舎に抗議したという話もある。
「『新潮』が出た後に東野さんから幻冬舎の担当に連絡が入り、『そんなものを出したら今後、幻冬舎との付き合いを考える』と言われたらしいんです。しかも、自身の版権引き上げについてもほのめかしたようで、その事実は幻冬舎の幹部にも報告されたようです」(大手文芸編集者)
まぁ、気に入らないことをしようとしている連中と、無理して付き合う必要はありませんな。実力がある人間の特権だろうけどね。記事では東野圭吾に対して少し非難気味に見えたけど、私は別にこういう抗議は構わないと思うよ。
太田出版とはどんな出版社か
1985年、お笑い系芸能事務所の太田プロダクションに所属していたビートたけしの本を出版する目的で、太田プロダクション出版部から有限会社太田出版として独立し、後に株式会社になる。サブカルチャー系の書籍や漫画を中心に出版しており、特に『QuickJapan』や『批評空間』は1990年代のサブカルチャーを代表する雑誌である。
『完全自殺マニュアル』(1993年)、『自殺直前日記』(1996年)、『バトル・ロワイアル』(1999年)、『永遠の0』(2006年)、『自殺サークル』(2008年)、『絶歌』(2015年)など、他社からは敬遠される題材を扱った先鋭的な作品も精力的に輩出する。その結果として社会的規模の論争が起こるケースもあり、有害図書指定を受けるなど、「問題作」となった書籍も存在する。
どうも最初に出した本が伝説のクソゲー「たけしの挑戦状」の攻略本だそうで。わかりづらい内容で文句殺到、「担当者は死にました」と嘘をついて難を逃れたとか。
まぁそれはともかく「完全自殺マニュアル」を筆頭に尖ったテーマの書籍も元から多く出版しているようだ。
「太田出版が絶歌を出版」ってのは特別不自然ではないという感想。
【まとめ】
1.酒鬼薔薇聖斗が幻冬舎に本を出したいと話を持ち込む
2.水面下で執筆が進むが、幻冬舎は太田出版にバトンタッチ。
こういった流れのようだ。この本についての最大の焦点である「遺族の許可を取らずに出版した」ことについては、幻冬舎も初めからそのつもりだったように見える。今のところは。
酒鬼薔薇聖斗の更正というか人間性については、初めから誰も期待していないだろう。
個人的には遺族の許可も取らず、出版という既成事実を作った幻冬舎・太田出版に対しての失望の方が強い。炎上商法したいくらいに経営難なのかね。
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