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「やるな」って言われるとすごくやりたくなる心理:カリギュラ効果

「やるな」って言われるとすごくやりたくなる心理:カリギュラ効果

◆目次

・カリギュラ効果とは
・カリギュラ効果の身近な例
・「心理的リアクタンス」
・神話・民話の「見るなのタブー」









カリギュラ効果とは

「絶対にやるな」って言われるとすごくやりたくなる心理。これが許されるのはダチョウ倶楽部だけだろう。


元は映画「カリギュラ」。内容が過激なためボストンを始めとした一部の地域で公開禁止になったのだが、禁止されたことで余計に注目を浴びて逆に多くの人が知ることになった。


日本では映画「バトルロワイアル」がそうだっただろうか。調べてみるとその原作の小説も内容がネックとなり賞を逃した経緯があり、それが余計に注目をあつめることになったらしい。








カリギュラ効果の身近な例

  • モザイクかかってると気になる
  • テレビのピー音
  • 「閲覧注意」タグ
  • 蚊に刺された所をかきむしりたい
  • かさぶた剥がしたい
  • 「内緒にしてね」→次の日の最新トピック
  • 「今時間がない人は絶対に見ないでください」みたいな広告全般
  • ネットでたまにある「消すと増えます」
  • ハゲの頭をたたきたい
  • カツラをむしり取ってやりたい
  • 禁煙中のタバコ
  • ダイエット中の間食
  • 浮気のほうが盛り上がる
  • 台風の日に川や海を見に行こうとする奴


隠されている、やってはいけないと言われると余計に知りたく、やりたくなる。これらは「心理的リアクタンス」と呼ばれる心理的現象により、「やる気」が出てしまうため。






「心理的リアクタンス」

心理的リアクタンス(リアクタンスは抵抗の意味)とは、簡単に言えば「障害があると燃える」心理。人間はストレスを感じるとそれを克服するエネルギーを捻出する。簡単に言えば、反発心。

これが「克服しちゃいけない障害」が対象だった場合、「欲や衝動に負けた」ことになる。
また、前述のモザイクや広告の例が分かり易いが、「興味を持たせるため」に既に結構利用されている。

裏を返せば本来は興味がなくても表現次第では関心を呼ぶことがある。タブーを強制することで反発心を狙って引き出しているわけだ。これは「挑発」に他ならず、わかる人間には不愉快に感じられて嫌われる。まぁそれでも見ちゃったりしてるかもしれない。

実際にどうするかはともかく、「禁止されるとやりたくなる」「隠されると気になる」という気持ちは多くの人が知っているものだろう。






神話・民話の「見るなのタブー」

カリギュラ効果は人間には根深いものだと思われる。神話や民話の類にも「見るなのタブー(禁忌)」と呼ばれる物がある。

死者を迎えに行く

例えば神話では、イザナギがイザナミをあの世から連れ戻そうとした際、「顔を見てはならない」と言われるが、それを破っている。

イザナギとイザナミはそのまま夫婦喧嘩して別居状態になる。「お前の国の人間を一日に千人殺す」という迷惑な呪い付きで。ちなみにその後イザナギが顔を洗ったらなんとなく産まれたのがアマテラス、ツクヨミ、スサノオ。

ほとんど同じ話でギリシャ神話では吟遊詩人のオルフェウスが、亡き妻を死者の国から連れ戻そうとした際「顔を見てはならない」というルールを設定され、やはり破っている。

結果あと一歩というところで妻は死者の国に連れ戻されてしまう。ちなみに彼の竪琴が死後天に登り、こと座となったとされている。

パンドラの箱

オリジナルは壺らしい。
「開けてはいけない」と言われて持たされた箱をパンドラが開けてしまう話。中には災厄が詰め込まれており、慌てて閉めたが殆どが飛び出した。1つを除いて。

この残った1つが「希望」だとするのが一般的かもしれないが、「未来を知ってしまうという不幸」である、とする説もある。それが飛び出さなかったから(先のことを知らないからこそ)人は未来に絶望せず、希望を持てるのだとか。

ちなみにパンドラの箱はプロメテウスに嫌がらせをするためにゼウスが用意した物。またアイツか。






異類婚姻譚

もっと馴染みがありそうなところだと、鶴の恩返しとか、雪女とか。見るな、話すなと言われていたのにそれを破り、別れが来る話。

人外の者との婚姻の話は古くから多く、このパターンの話は異類婚姻譚と呼ばれる。

雪女は小泉八雲のバージョンだと「雪女と出会ったことを話してはならない」というタブーを破り、人間のふりをして嫁になっていた雪女は男の元から去ることになる。

鶴の恩返しは助けたのが若者で鶴が嫁になるパターンがあるが、まぁやっぱり見ちゃうので破局する。

異類婚姻譚に限って言えば、カリギュラ効果に拠る行動は、本人にとっては「好奇心に負けた」「ついうっかり」でしかないが、相手側からしてみれば明確な「裏切り」であるのが特徴と言えるだろう。

加えて「何故見て(話して)はいけなかったのか」は最後まで明かされない。主役の視点で言えば、何故それがだめだったのかすら分からず、あっという間に多くを失うことになる。


これらの話が、大人が子供に話すような教訓として作られたとするのなら、人にはカリギュラ効果が根深くあり、なおかつその衝動・欲求に負けるとなにか失うことになると伝えようとした、ということだろう。




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