いくら考えてもすっきりしない時に見直す2つの「考え方」 ボトムアップ トップダウン
結論から言うと、この2つは使い分ける必要がある。大抵の場合どちらかの物の見方、考え方しかせずもう一方がさっぱりになっている。だから苦手な方が必須な問題の場合、大抵「詰まる」。
どちらも意識的に思考する際には技術も訓練も特別必要ない。やろうと思えば今すぐできるだろう。テクニックではなく、概念に近い。
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トップダウン
「何がやりたいのか」「何を目指すのか」が既に決まっていて、「どうやったらそうなるのか」を考える思考。目的達成のための思考というのが一番分かりやすいとは思う。
貯金で例えるなら、「欲しいもののために目標金額まで貯める」というやり方がトップダウンにあたる。
意識的な思考に限って言えば、「ゴールを設定してから現在地まで逆算する」スタイル。
「目的達成のための思考」といえばご立派なものだが、まぁ実際はそうでもない。むしろ「思い込み」を助長させるものしか見えなくなるだとか、都合の悪い情報は無視するだとか、そういった
認知バイアスの温床に成り得る。
人間は状況判断をトップダウンで行う傾向がある。「分析」よりも似たようなパターンを頭の中から探して「当てはめる」。これは安易な「決めつけ」が発生しやすい。
確証バイアスが代表的だろう。
目標重視のため、それ以外に対する「気づき」が減る。
また、例えば
劣等感が強い人間が誰かが笑っていただけで「自分のことを馬鹿にしている」なんて思い込むケースもあるが、これもトップダウンと言える。要するに「はじめに結論ありき」。その結論がポンコツだった場合は酷いことになる。
ただ、「自分はどうしたいのか?」と問うことは大切なことだ。それがないと流される。
ボトムアップ
状況や能力などの手持ちのものから考えをスタートする。「何が出来るのか」「どこまでいけるのか」「この先どうなるのか」を考える思考。
こちらは「現在地からゴールがどこなのかを考える」思考。トップダウンと違い目標を持たず「気づき」「発見」を重視していると言える。
一部では「受け身の態度」と称され軽視されている。一部っつーかまぁベンチャーとか自己啓発な所から。
これはボトムアップは「状況を整理する」という方向に向いていて、なおかつトップダウンとボトムアップの関係が正反対というか両立できないものだと認識されているからだろう。
例えば何かに悩んでいる状態などはボトムアップの思考だと言える。状況に問題があり、そこから目指したゴールへは「行けない」、あるいはゴールが「見つからない」、そういった状態。
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物事を「どう捉えるのか」に関わっている。
どちらかの考え方がデフォルトになる。それが「物の見方」になる。前述の通りトップダウンのほうが多い。だから決めつけに依る失敗が多い。だが考えすぎてしまうタイプも結構いるし、それほど傾いてはいないだろう。
大事なのは、意識的な思考以前の無意識的な思考、つまりどう思ったか、どう感じたか、どう見えたかの時点でこの「思考の癖」は影響を与えている。
例えばトップダウンとして何らかの目的を持っている人間が「そうじゃない」事実を認識した際、それに「対処」する思考を自然と取る。逆にボトムアップが自然体の人間は受け入れる傾向は強まる。
これの表現の仕方でちょっと遊ぼう。
「困難に直面した際、トップダウンの人間は克服しようとする。ボトムアップの人間は諦めやすい」。
なるほど確かに誰かさんたちが言うとおり、こういった認識ならば成功者とヘタレの構図だ。
じゃあ違う表現をしようか。
「困難に直面した際、トップダウンの人間は思い通りにしようとする。ボトムアップの人間は柔軟に対処できる」。
はい、途端に根性馬鹿と成功者に逆転した。
今度は場面を変えてみようか。
「思い通りにならない人がいた場合、トップダウンの人間は思い通りにしようとする。ボトムアップの人間は柔軟に対処できる」。
人格障害者と人格者になったね。
要するに、どちらも「馬鹿の一点張り」では通用しない脆弱性を持っている。「クセ」だから制御できないにしても、じゃあその後でバランスをとるような思考は意識的にするべきだろう。
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状況に詰まったら反対の思考を
まぁ実際に状況が絶望的なこともあるし、手持ちのカードでは絶対切り抜けられない状況もあるとは思うが。それだって十分に考えたと実感できるなら清々しく「無理だ!」と言って次の手に移れるだろう。
使い分けだが、状況というか目的に合わせよう。
状況把握や問題解決はボトムアップが向いている。「問題」からスタートするからだ。
目標達成にはトップダウンが向いている。「目標」からスタートするからだ。
わかりやすいね。
細かいことを言えば「問題」をどう捉えるかにも依る。「片付けばいい」のならボトムアップだし、結果ややり方に拘るのならトップダウンになるだろう。
二者の両立は可能だ。というか、細かい所を見ればこの2つは頻繁に入れ替わることによって思考が「進む」。例えば問題解決だが、最初は状況から答えを算出することはできる。
が、それが気に食わない場合や「もっといい結末はないか」と考える場合にはこれはトップダウンになる。
これを詰まった時に意識的に切り替えれば、切り口も見えてくるかもしれない。
ただ、前述の通り無意識の「クセ」にだけは注意したい。このクセによって出た結論が意識的な思考のスタート地点になる。つまり出だしで致命的に間違ってる可能性がある。何を「問題」として捉えるかは違ってくる。前提が間違っている場合、いくら考えても正しい答えにいけないだろう。
全く思考が「進まない」のなら、スタート地点を疑ってみよう。案外、つまらない勘違いや思い込みのせいかもしれない。
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