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自分で考える力がない理由とその鍛え方

自分で考える力がない理由とその鍛え方



最終更新 6/12 


ゆとり世代だの、マニュアル人間だのと言われてる、考える力がないと断じられる人のその理由は何か、そして鍛え方は何があるのか。
ちなみに知能指数測ったら、ゆとり世代より団塊世代のほうが頭悪かったという笑い話がある。一番高かったのはその中間だったそうな。まぁどうでもいいだろう。頭のいい世代でも、当人がそうじゃなければ意味がないし。
自分で考える力において最も厄介なのは、他人から見れば考えている人と言動がそれっぽいだけの人の区別はつかないことだ。他人の頭の中なんて見れない。つまり「見て学ぶ」ということは今回難しい。お手本が「ハズレ」の場合もある。

同じ結論、同じ行動をしていたとしても、その過程は全く別物の可能性があるし、中身が「からっぽ」の可能性もある。
サバイバーバイアスが代表的だが、成功者や大学教授、マネジメントのプロの提唱する「考える力を養う方法」が必ずしも自分に合うとも限らない。彼らが想定している対象、つまり元々の環境や能力が自分に該当しているかどうかの問題になってくる。「正しいけれど役立たず」に終わる場合もあるだろう。
だから汎用性のために最も基礎的な、地味で、つまらない部分を述べる。そこが大丈夫なら自分でいい方法を見つけて勝手に伸びるでしょう。

目次

1.自分で考えられなくなる原因
2.自分で考える力を養う方法
まとめ










1.自分で考えられなくなる原因

「頭の良さ」「頭の回転」の問題なのか?

頭の良さの問題ではないよね。勉強はできるけど自分では考えない人とかいるわけだし。まぁこれは頭の良さにも色々あるということだが。
問題の答えを出すことが出来ない、という状態で言えば、情報を持っていないなどの準備不足(知らない)、知識の使い方の経験不足(考え方がわからない)などのほうが理由としては強い。
それよりも多いのは「問題が分かってない」ことだが。これは頭を使う以前の問題(頭の出来は関係なく)で、そもそも今考えるべきタイミングなのだと気づいていないということ。だがこれも物事の「流れ」を知っていなければできない芸当だろう。
要するに、頭のスペックのせい=一生そのままな運命論みたいな帰結は的はずれだろう。早い遅いはあるだろうが、どんなことをしても一生自分で考えられない、なんてことはありえない。
バカなんて実際にはそうそういない。ただ、思い込みなどのせいで「変な頭の使い方」になっている可能性は高い。

「考える」ということに対する誤解

例えば普通の人が、毎日ジョギングを欠かさない人相手に体力で今すぐ勝てるとは大抵思わない。だが、これが「考える」ことの場合、なんか頑張れば最適解を導き出すことができるんじゃないかとか思っている場合が多い。
大抵の場合無理だ。殆どの場合時間の無駄で終わる。筋肉や心肺機能と同様、思考もまた使ってなければ鍛えられない。さらに言えば得意分野かどうかも問題になる。
その場限りの努力や集中力や根性論でなんとかなるだろうと考えがちだが(なんとかなっちゃうことがたまにあるが)、脳は肉体だ。鍛えれば発達するし、使っていない機能はへぼいままだ。
また、思考は「裏方作業」だということを忘れてはならない。地味で地道なものだ。
頭がいい=人前ですごいことを「発表」して賞賛や注目を浴びる、なんてイメージを持っている場合があるが、このせいで自分はそうじゃない=頭が悪い=考える力がないと勝手に思い込んでいることがある。







マニュアル人間

「言われたとおりにしか出来ない」「知らないことには何も対処ができない」、こういった人間を称してマニュアル人間なんて呼ぶ。

現代では既に答えが用意されている、あるいは存在している事が多い。調べたり聞いたりしたほうが大抵は早くて確実なのも現実だ。つまり「考える機会が少ない」。酷い時には、考えるより先に答えを提示され、「この通りにやれ」だ。頭を使うタイミングがいつあるというのか。
ハッキリと言ってしまえば、黙って言う事聞いてりゃいいという場面もある。さらに周りからそれを求められていることもある。職場でも仲良しグループでも、何らかのコミュニティに所属する限り、こういった姿勢のほうが歓迎される事がある。都合がいいからだ。
要するに、自分で考えるより周りに合わせたほうが「正解」に近いことが多い。こういった腹芸・顔芸も処世術として必要なのが現実だろう。そしてそういった振る舞いの「クセ」が身につく。
つまり現代人は考えるより「周りに合わせろ」といった教育を無意識レベルである程度受けている。「それだけ」かどうかは各々違いがあるが。
これは移動手段が発達した結果、人間の足腰が弱まったのと同じだろう。
「考えてるヒマがあるなら既にある答えを暗記せよ、それを再現できるように習熟せよ」。


確かにこれで大体なんとかなっちゃうんだが。こればっかりで、いつ頭を使うタイミングがある?
思考力はスキーマの獲得(あるいは発明)、その発達を含める(要するに考え方を自力で身につけて育てること)が、これらが育たない。

魚を与えるのではなく、釣りの仕方を教えよ

「魚を与えるのではなく、釣りの仕方を教えよ」という格言がある。出典は中国説が多いようだが、少なくとも中国、ユダヤ、東南アジア、アフリカにこの言葉はあるようだ。

意味は魚を貰えばその日一日食いつなげるが、翌日また空腹に悩まされる。釣りの仕方を教えてやれば、そいつは食うには困らなくなる、ということ。

今回で言えば、「既に答えが用意されている」というのは「魚がそこらへんでもらえる」ということ。実物とは違い多くの人間が使っても減るものじゃないから、この「魚」は溢れている。「釣り方」の需要は日常的には一見少ない。



日常的には少ないが、例えば自分の進路だとか、将来設計だとか、話が個人的になればなるほど(つまり他人と全く同じでは「ほしい答えはこれとは違う」と思うような内容であるほど)に、「魚の釣り方」が必要になってくる。

もう一つ、答えが「隠されている」場合に必須になる。表立っては口にされない暗黙の了解の存在に気付くことだとか、暗黙知になっていて相手に教えるつもりがあっても上手には伝わらない場合だとか。

当たり前の話だが、いくら魚を食ったところで釣り方が身につくわけはないだろう。例え「聞いただけでできる」という完璧な答えという「魚」を貰ったとしても、これは身につかない。答えに自力でたどり着く方法、つまりは「考え方」は知らないままだからだ。

釣りの仕方を知らない限り、いつまでも魚をくれと誰かに縋るか、そこらにないかと探すだけになる。

実はこの格言、私は「魚を貰うより釣りの仕方を教われ」と受ける側視点で間違って覚えていたんだが、今回に限っては大体あってるのではなかろうか。多分人に聞くのが嫌いな性格してるから、聞くのは一度で済むための覚え方をしたんだろう。




目的のない思考

「何を」考えるのか。ゴールを決めているか。何を考えるべきか分かっていない、つまり疑問も目的意識も持っていない場合、考える力は働かない。必要性を感じていないからだ。
それでもなんとなく気になって頭の中に残り続ける場合もあるが、指向性を持たせない限り殆どの場合、その思考は結論に至らない。
補足するが、この状態は頭が「情報待ち」になっている状態だ。だから何か見聞きしてそれが解決に使える場合に答えを「ひらめく」こともある。
だが当人の主観的には「偶然」に近い印象となる。「スタートからゴールまで自力だった」という感覚ではない。情報をインプットすることによってひらめく確率は上がるが。


能動的に答えを導き出すことを「思考」と呼ぶのなら、これは「違う」だろう。良いか悪いかではなく。






2つの「考える」

考え方にも色々あるが、大きな分類でトップダウンとボトムアップがある。
トップダウンは初めに「ゴールを決めて」現在地からそれを目指す。
ボトムアップは今ある情報や状況を現在地として「ゴールを探す」形になる。

前者は思い込みが入りやすく、後者は無限ループしやすい。思考が行き詰まったら切り替えて別の考え方をしてみるといいだろう。

参照:いくら考えてもすっきりしない時に見直す2つの「考え方」 ボトムアップ トップダウン

ここではトップダウンをアウトプットとして、ボトムアップをシミュレートとして書いている。

アウトプット

状況に通用する思考スキーマを持っている場合。こちらは簡単だ。状況を把握すれば、勝手に結論が出る。要するに慣れきった問題にたいしての「考える」。むしろ当人の主観としては「考えるまでもないこと」。身についた思考の手順であり、暗黙知

記憶や知識を「再現」しようとする思考。
こちらは現代社会の「教育」で勝手に身につくだろう。記憶せよ、適応せよ、再現せよと。

この場合考えているのは「どの方法が良いか」という既存の思考スキーマの選択を目的としたことになる。
対応するスキーマがない場合、状況を把握していても(インプットしても)考えが「出てこない」状態になる。
これは範囲を「絞れない」ために起きる。この場合、記憶や情報の取捨選択の基準がないためあらゆる情報を並べようとしてパンクする。人工知能で言うところのフレーム問題というやつだ。
この「範囲を絞る」能力は経験則的なものであり、慣れによって培うことができる。
これはアウトプット「だけ」であり、既存の答えを「再現」するためのもの。


シミュレート

こちらは試行錯誤。ただし、「思いついたことを全部実際に試す」姿勢は、他人から見たら「考えないで手当たり次第に行動するやつ」にしか見えない。
普通は実行よりまえに目的をより達成できそうな方法を模索する。これが今回言うところの「思考」だ。
これはアイデアや目標を形にする過程や方法を模索するもの。「発想」「創造」のベクトル。
綺麗にアウトプットと対になっている。


アウトプットの場合は既存の方法を「思い出す」ので、頭の使う部分がぜんぜん違う。だからアウトプットは上手いが、創造性はないということは在り得る。
代表的な例だと「勉強だけできる人」。まぁ勉強できるのはいいことだ。それを活かすためにも別の考え方も磨いていったほうが得だろう。

大抵はアウトプットが得意

「わからないこと」があった場合、人はやり慣れたアウトプットの思考をしようとする。だが必要なのはシミュレートの方の思考だ。これがないとわからないと「考えが出てこない」という状態になる。
この状態になると、人は最も確実な解決法、即ち検索する、人に聞くなど「答えを外部に求める」行動をする。大抵「自分で考えろ」と言われるのもまた、このタイミングである。


わかると思うが、この流れだと答えや解決を創造しようとする、即ち「考えようとする」スキーマがどこにもない。使ってないから育たない。

まぁ困ってる、緊急性がある状況でこうなることが多いので、のんきに自分の頭で考えるべきだとも言い切れない。逆を言えば困る前から鍛えてなきゃならないことになるんだが。


ちなみにそれくらい考えろと言われるのは、大抵はゼロから考えて思い付けと言っているのではなく、「教えたことと似たようなことなんだから応用しろ」という意味の場合が多い。
シュミレートじゃない。

すごく下らない頭が回らなくなる理由

睡眠不足、水分不足で頭が回らなくなる。姿勢の悪さに拠る呼吸の効率の低下=酸素不足でも頭は回らなくなる。
おまけで、「すごく下らない頭の回転が良くなる方法」として「トイレを我慢する」というのがある。小さいほうね。何割か判断力が上がるらしい。ただし身体能力は下がるそうだ。危険だからね。色々と。






2.自分で考える力を養う方法

基本的には既に世の中に転がっている「答え」に頼らずに、自力で考えてみることを行う。

こういった行為を「車輪の再発明」と呼んだりもする。本来は考えや結果が既に有り触れたものであった「徒労」を指す言葉だが、これは物事を理解して身につける過程そのものであり、一部ではそのためにあえて行われている。
考えや結果がすでにあるもの以下だった場合は「四角い車輪の再発明」なんて呼ばれたりもする。が、今回はこれでもいい。目的は頭を使うことそのものであり、結果は結構どうでもいい。やることそのものに意味がある。体力づくりのためのジョギングでタイムアタックする必要はないだろう? 
逆に自力で出した答えに固執するほうがよろしくない。それより良いものが探せば見つかるのが現実だからだ。

前述の「釣り」で言えば、どうせ最初はメダカか野生化したグッピーくらいしか採れません。あまり張り切ったりすると上手くいかなくて嫌になるので、最初からメダカとるくらいの気持ちの方がいい。

予習すること

考えるということは無から有を生み出すことではない。どちらかと言うと「組み合わせ」によって新しいものを作るという感じだ。このため、材料や参考資料は多いに越したことはない。
また、複数の情報の類似点や関連性などのメタ知識はそのまま理解力、発想力に直結する。
この場合、情報の使い方を意識して頭に入れていくこと。その場面が思いつかなければ人に教えるつもりで覚えるといい。丸暗記の暗唱ではなく、「説明」することを意識して。

予測すること

情報の「使い方」をイメージしておくこと。これはそのまま「どこで使うのか」を考える準備となる。先程の教えるつもりで覚えろとかそのあたりの話。具体性があればある程いい。
もう一つ、先を予測し、その対応をするというのは物事が起きてから対応するよりも頭を使う。仮説を立て、シミュレートするようなこういった「準備」そのものが思考だ。

疑問を持つこと 何を考えるかを考える/自覚する

目的を持った思考、ゴールを目指す思考をすること。ただ漠然と頭の中で回しているだけでは解決しない。そんなことは無意識が常にやっている。指向性を持った思考(洒落ではない)をするための目的の設定。
このため「目的」か「問題」がなければ始まらない。前述の通り、現代では考える機会そのものが一見少ない(本当は結構あるんだが)。拠って機会は自ら作る必要がある。自然に鍛えられることは期待しないほうがいいだろう。それは「間に合わない可能性」が非常に高い。色々と。
理解するためには疑問を持つこと。ただしその疑問とは必ずしも否定を目的としたものじゃない。結果そうなるかもしれないが。初めから否定を目的とすると、それしか目に入らなくなる。考える姿勢はフラットであるべきだ。
やってはいけないのはこの段階で人に聞くことだ。というか、それやってるから「少しは考えろ」って言われる。






答えを出すこと

「仮説をたてることが出来るか」が一つのゴールとなる。
思考を「完走」させること。少なくとも、そうしようとすること。
ただ、これらはあくまでも個人の仮説の段階だということを忘れてはならない。じゃなきゃ思い込みの激しい変なやつで終わる。
頑張って考えた答えが「もったいなくて」、持論に拘ってしまう人は多い。
答えを出すというとプレッシャーを感じるかもしれないが、「仮説」なんだから気楽にやっていい。別に発表するわけじゃない。それどころか結論が複数あってもいい。何も思いつかないよりは、いくつか仮説が頭に用意してある方がずっといいだろう。

覚悟するべきこと

せっかくの「発明」が使えないレベルだった、ということはザラにある。大抵の場合は「四角い車輪の再発明」で終わる。自分の出した答えに執着してはいけない。少なくともトレーニングである今は。

忘れてはならないこと

答えや仮説を出してからそれが正しいかどうかを確認すること。ただしこれは「答え合わせ」に過ぎない。カンニングであってはならないだろう。まぁ「現状では答えが出せない」というのが結論なら構わないが。
これらの答えと自分の答えを照らし合わせ、何が足りなかったのかを考えて次に活かす。情報収集が甘かったか、希望的観測が織り込まれていたか、ゴールがよく分かってなかったか、大体このあたりだろう。

形にする

人に話す、のも自信がない内はハードルが高いだろうから文章を書くのがいい。赤の他人に伝わるように意識して。
結構「わかった気分」でいることがあり、文章で説明しようとした時に何かが「足りない」ことがあるからだ。
また、何らかの形を与えた場合、かなり覚えていやすくなる。






小技

本気で一切何も思い浮かばない時用。

テーマを決める

お題がなければ始まらない。

制限時間を決める

とりあえず2~3分でいい。

止まらずに書く

考えるより先に書く。止まらないことに専念する。思いついたことを何でも良いから書く。「何も思い浮かばないから焦る」とかでもいいから書く。誤字とかタイプミスとか気にしない。
そうするとだんだん考えが「出て来る」ようになる。
海外ではA4の紙十枚くらいで毎日やれというテクニックがあるのだが、日本語でこれをやると画数の多い漢字のせいでほぼ「失速」する。
書くスピードが失速して思考がつっかえてこちらも失速する。


ひらがなカタカナだけで文章書くことに抵抗がないのならそっちでもかまわないだろうが、そもそもひらがなかカタカナか漢字かの選択がある事自体が思考の邪魔。デジタルを勧めておく。まぁ英語ならなんでもいいかもしれない。

最も気をつけるべきこと

出した結論の正確さを確信したとしても、それは仮説であることを忘れてはならない。思考によって出た結論は理解や決断よりも一つ前の段階だ。確認や決断をしない限りは例え正解でも「仮説」で止まっている状態。
「わかったつもり」が一番もったいないだろう。それ以上は考えなくなる。思考が正しかったかどうかのフィードバックも一切受け取らなくなる。まさしく「やっただけ」で終わってしまう。






まとめ

シミュレートだってば。
考える習慣を持つ、というよりも、「ゴールを目指した思考」を意識的に行えるようにすること。そのために「何を考えるのか」をはっきりさせること。そうじゃない限りは「気になる」「悩んでる」のと変わらない。
思考の材料となる情報が的はずれだと残念な結論しか出てこなくなる。「訓練」ならそれでもいいが、実践となるとこれでは困る。情報収集のセンスも磨いておいたほうが良いだろう。
また、間違える訳にはいかない時には、自力に拘らずに答えを探したほうが良い時が多い。特に職場だと、間違えたら今度は「勝手なことするな」とか言われるだろう。
ただ、考える力があると外部からの答えを「消化・吸収する」能力、つまり理解力と応用力が伸びる。普段鍛えておく分には損はない。





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