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スキーマとは 頭の中のプログラム

■スキーマとは



・「図式」の意味。
心理学、認知科学の上では思考や判断、行動のパターン、情報のカテゴライズや繋がりなどの一連の行動を指す。

簡単に言えば、思考や判断、あるいは行動をする時の頭の中の「プログラム」。

体験・経験から作られるものとイメージによって作られるものがある。

このプログラムが動くから私たちは見たものが「なんなのか」を推測することが出来るし、わからない部分は記憶を元に当て推量することができるし、何度もやってることは一々悩まずに手を付けることができる。
あるいは「自分らしい振る舞い」を実行することができる。

・ネストや変数などかなりプログラムに似ている。


・また、「あらゆる抽象度を持つ」とされている。つまり具体的な行動から思考や感情まであらゆる範囲・規模のスキーマがある。

・よくある例えが「外食をする」という行為について。
店に入って案内される席に座ればメニューが渡される。そこから注文して食事をし、支払いを済ませて店を出る。
この一連の流れもスキーマと言える。

このスキーマは大抵の店で通用するだろう。
だが食券使う店だと通用しない。
立ち食いそば屋だったらどうだろう。座る場所ないね。

■目次

ネストと変数
欠落を埋める機能
スキーマの獲得 経験則のパターン化
役割スキーマ
人スキーマ
事象スキーマ
自己スキーマ
まとめ









■ネストと変数

ネスト

ネストは「入れ子」のこと。
スキーマの中にさらにスキーマがあること。

先程の外食のスキーマ、立ち食いそば屋じゃ通用しない。
つまり「外食する際に店によってパターンが違う」。
でも食券がある店で席に座って注文来るのをずっと待ってる客もあまりいないだろう(たまにいる)。

これは大抵の場合、外食をするというスキーマの中にさらに「どんなタイプの店か」の判断と「その店に合わせた行動」というスキーマが既に入れ子になっているということ。

日本語では入れ子構造と訳されることが多いが、ネストは「巣」という意味を持つ。

変数

スキーマにおける変数はスキーマの中で決まっていない部分を指す。
外食先がガストかデニーズかとか。

また、食べるというスキーマの内、箸かフォークかで持ち方も手の動かし方も違うわけだが、「食べる」には変わらない。
この場合箸かフォークかも変数になる。

・・・どうでもいいね。

■欠落を埋める機能

スキーマには一種のヒューリスティクス(最適解ではないが素早く判断を下すことができ、そこそこ当たる)がある。

スキーマを使用する際に情報不足が在った場合、本人にとって「一番有り得そうなもの」を代わりに代入する。

だからラーメン屋に行ってメニューがなくても各種ラーメンとチャーハン、餃子くらいは「ある」と判断して注文することができる。

この代入が厄介だ。
人はもとからわからないものがあるとスッキリしない。今すぐ決めつけてでもすっきりしたいという「動機」を持っている。

だから色々勝手に決めつけて「そういうこと」として、そういう扱いをするということが多い。

認知バイアスはスキーマの変数に代入する時に発生するのだろう。
そして現実と食い違っていてもスキーマが実行終了するまで止まらない。






■スキーマの獲得 経験則のパターン化

大抵初めてやることは疲れる。
初めて見聞きするものには、大量の思考や判断が必要になるからだ。

繰り返してやっているうちに「身について」、気楽にこなすことが出来るくらいに「慣れる」。

この身につく、慣れるというのがスキーマを獲得したということだ。

尤も、改良の余地が在ったり「失敗する方法」のスキーマが出来上がったりすることもある。変な癖がついちゃうとかね。

これらは無意識的に行われる。考えながらやったほうが飲み込みは早いが、ダラダラ数だけこなしても一応それなりには身につく。実用レベルかどうかとは話は別だが。

流れ的には「それを繰り返す」→「スキーマ形成」となる。

・「習慣」と言うものを考えてみればわかるだろう。
例えば帰ったら手を洗うという子供に言い聞かせるようなこと。

最初はやらないで、言われたらようやくやるのだとしても、繰り返すうちに自力で実行できるようになる。まぁ本人にその気があれば。

ただ、これは「帰ったら手を洗う」スキーマであり、「手の洗い方」のスキーマじゃない。

何年も「帰ったら手を洗う」を実践していたとしても、手の洗い方は「ただ水に濡らすだけ」のままであることも十分にありえる。

要するに、スキーマは自分のやったことがあることや自己イメージなどの「再現」をする機能であり、それ以上になりたいのなら改めて意識的な努力が必要になるということ。

この「再現」する機能は、時には呪いと成り得る。






■役割スキーマ

スキーマは4つに分類されて定義されることがある。

役割スキーマは自分の社会的な「役割」を果たすためのスキーマ。
親として、子供として、サラリーマンとして、上司として、部下として、妻として、夫として、友人として、などなど。

さらに性別や人種と言った役割スキーマもある。
男は力仕事、女は家事、とかね。もう古い概念になってきたかもしれないが。

要するに、1人の中に沢山あるもので、用途によって使い分ける。
ユング心理学で言うところの「ペルソナ(仮面)」だと思えば良いだろう。

ところで、ペルソナについては「仮面が外れない」ことが問題になるそうだ。

役割スキーマとしてみても、例えば職場のルールや常識、クオリティを妻や子供に強要する夫などは「仮面が外れない」と言える。

「職業病」とは言い得て妙だろう。
視点次第では確かにスキーマ切り替え機能が死んでる。「仮面に侵食されている」と言ってもいいか。

我々もまた、自分にだけ見えない「仮面」が顔にへばりついて取れないのかもしれないが。

加えて言えば、役割スキーマは頻繁に他者に投影される。
男のくせにとか女のくせにとか、大抵差別や偏見、決めつけの形をとる。






■人スキーマ

相手の人格などの推測。
仮定であるべきだが、大抵の場合「こういう人」だという認識にすり替わる。

また、特定の特徴を持つ人物はそれに対応した人間性であるという偏見になりやすい。

後述するが、自己スキーマという自己イメージとそれにまつわる行動群が人間にはある。

簡単に言えば人スキーマは「自分が把握・想像した他人の自己スキーマ」ということになる。

ややこしいからこう言おう。「あの人はこういう人」ってのが人スキーマ。
そしてあってるか間違っているかとは関係なく、「そういう人」として対応する。


■事象スキーマ

スクリプト(台本)とも呼ばれる。

その場面ではこうする、という状況対応型のスキーマ。

さんざん例に上げたあの「外食スキーマ」もこれに該当する。

例えば車を運転していて事故を起こした場合、対応するスキーマがなければひき逃げになってしまうかもしれない。

ひき逃げ事故があった翌日に犯人が自首してくるケースがあるが、スキーマを持っていなかった例だろう。
まぁ自動車学校で習うはずなんだが。とりあえず救急車と警察は呼ぼうね。






■自己スキーマ
自分に対するイメージ(例えば内向的か外交的か)とそれを補強する記憶群、さらにアウトプットする一連の行動パターン。

たとえば自分が外向的であると考える人は、外向的な自己スキーマを持ち、己の定義の中核はその外向性であると信じている。

 彼のスキーマには、一般的な自己分類(「私は社交的な人だ」)、特定の状況における行動方法の信条(「パーティーに来たら自分は多くの人と話す」)、過去の特定の出来事の記憶(「大学の初日に自分は新しい友達を多く作った」)などが含まれるであろう。


これは裏を返せば人は自分の思い込みの通りに振る舞おうとするということだ。
そして記憶の中から根拠となる物を頭の中に飾る。
例えそれがマグレや勘違いだったとしても。

逆のパターンは言うまでもないかもしれないが、自分は消極的だというスキーマがあれば、スキーマはそれを「再現」する。


記憶の中から「自分は消極的だ」と思わせるような記憶だけピックアップして、頭の中に飾って。
例えそれがマグレや勘違いだったとしてもだ。ご丁寧に「どうやれば消極的になれるか」手順も並べる。

逆に事実だったとしても、別にこれからもそうでい続けなきゃいけないわけじゃないんだが。

■まとめ

わからない、知らない、出来ない、苦手。
こういったことの殆どは、「対応するスキーマを持っていない」と言い換えることができる。

スキーマを獲得するためには経験するのが最も効率がいい。
学習だけでは「形」になりにくい。

多分、人が抱える自己嫌悪や苦手意識の殆どは切り崩すことが出来るはずだ。その気があれば。

変なスキーマが自己に形成されていた場合、上書きは可能であり(認知療法)、持っていないスキーマなら手に入れればいいだけの話になってくる。





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