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「不潔」ではないけれど、物が多すぎて足の踏み場もない。
「汚部屋」ではないけれど、収納する場所がないから物が溢れている。
捨てられない、片付けられない人の問題はどこにあるのか。
■目次
■間違っている整理整頓
■捨てる必要性を感じない
■捨てられない理由
■根本的な原因
■超根本的なこと
■捨てられない人の「敵」
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■間違っている整理整頓
・不用品というわけではない(つまりゴミではない)上で物が多いのなら、まずは「整理整頓」が思い浮かぶだろう。
だが、捨てられない人、片付けられない人は「整理整頓」の概念が間違っている事が多い。
・きっちりと並べて、種類別に揃えて、そうすれば問題は解決、ということには大抵はならない。
整理整頓は本来普段からやっているべき「管理」であり、それが「必要だ」と感じてやってる時点で大抵物が溢れかえっている。
並べて、揃えて、とやった所で殆どの場合スペースが足りない。どの道「仕舞う場所がない」。
・また、幾らかは「隙間に押し込むこと」を「整理整頓」だと言い張る。
属性別でもなし、利便性もなし、単純に「別の場所に移動させりゃいい」で、「ここが空いてるからここに置こう」というタイプ。
「きれいに詰め込めばいい」じゃない。これは整理整頓ではなく、どちらかと言うとテトリスか何かだ。残念ながらリアルでは一列に揃えても消えてはくれない。
■捨てる必要性を感じない
・自分で問題を感じた時点で、既に物は多すぎる状態にある。そして前述の通り、整理整頓では間に合わない状態になっていることが多い。
というか物は大抵増え続けるから「捨てる能力」は絶対に必要になる。
そして状況的には「捨てる必要」もあるはずだ。
ここで問題になるのが対象が「不用品というわけではない」点だ。
ゴミじゃない。
何かに使えるかもしれない。
金払って買ったのに捨てるなんて。
ようするに「もったいない」。
まぁ一月いくらでダンボール単位で物を預かってくれるサービス(レンタル収納スペース)も在るから、どうしても無理ならそういうのを利用するのも手だろう。
逆を言うと物の保存と言うのは「金取れるだけの価値がある」ということだ。ただ「捨てられないだけ」の微妙なアイテムでスペース埋めてるのはもったいないんじゃないか。
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■捨てられない理由
・面白いのが、人間の脳は自分の物を捨てる時、「紙で指を切ったときと同じ痛み(かなり痛い)」を感じることだ。
つまり「捨てることを避ける」と言うのは本能的な行動だといえる。
これは汚部屋住人に限った話ではなく、誰でもこのぐらいの「痛み」を感じるらしい。
ちなみに溜め込み症の場合、「自分の所有物が書いてある紙」を破ることにすら抵抗を示す脳波が観測されるらしい。
ゴミじゃない限りは捨てることに抵抗があるのは本能的には自然なようだ。
・誰だってゴミなら捨てられると自分では思っているわけだが、その「ゴミ」の定義が人によって違う。
もちろんそのアイテムの持ち主、部屋の持ち主本人の基準で決めていいわけだが、本人が「物多すぎて困ってるくせに捨てられない」という状態で、他人から見たらどう見てもゴミ、ということがある。
この場合彼らにとってはゴミじゃなく、だからこそ悩んでいるわけだ。
ホーディング(溜め込み症)は不安を抱えていることが多いと言われている。
別に病気じゃなくても手放す際、これは後で必要になるのではないか、実は価値が分かっていないだけでとても重要なものなのではないか、とまぁそんな不安も頭をよぎる。
そんな不安がガラクタからなけなしの「価値」を見出してしまう。
結果、「とりあえずとっておこう」となりやすい。まぁ別に間違ってはいないんじゃないか。ただ、何でもかんでもこれだと本当にホーディングの疑いがある。
・また、「捨てられない人は自分の好みをわかっていない」と言う指摘もある。
これも「わからないからとりあえずとっておく」という処理につながりやすい原因だ。
集めるにも捨てるにも「基準がない」状態ということ。
・他人から見たら捨てればいいだけのゴミでも、本人にとっては非常に悩むということもある。その悩みが無駄とは思わない。
ただ、捨てる必要があるぐらいに物が多くなってしまったのが現実ならば、まぁ可能ならデジタルで保存するなりトランクルームに預けるなりした方がいいだろう。
ただし、これらは「後回し」に過ぎず、根本的な解決の手法ではない。捨てることも持ち続けることもどちらにも決められないことが問題であり、収納スペースの問題は二次的な問題だ。
・ご覧の通り、「捨てられない理由」はもっともらしくいくつか在る。裏を返せば「ただ捨てられないだけ」であり、実は大事なんじゃなくて不要な物も結構な数あるはずだ。
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■根本的な原因
・片付けられない人、特にホーディング(溜め込み)の傾向がある人の部屋は基本的にカオスであり、魔窟であり、物に統一性がない。どうもアイテムを何らかのトロフィー、あるいは「思い出の品」のような位置づけにしているようだ。
・「きれいなスッキリした部屋」を見ると落ち着かない印象を受ける人もいるようだ。
誰かが我慢の限界が来て、強制的に空っぽの部屋にしたとしても、また物が溜まり始めることになる。それが「自然体」であり、そうじゃないと「落ち着かない」から。まぁそんな人もいる。
要するに、「物が多いのが普通」な人。だから彼らのイメージする「普通」になるまでは物が溜まり続ける。
・ちょっと自己啓発はした方がいいだろう。ネットで「きれいな部屋」を画像検索すればすぐわかると思うが、基本的に物が少ない。あるいは多かったとしてもそれらには「テーマ」がある。
・単純に物を減らせばいいのではなく、余計なものがないからこそ「自分らしいアイテム」が映えると言うのは理解した方がいい。
あまり「捨てる」ことを強く意識しないほうがいいだろう。前述の通り脳が抵抗する。
「残したいものを残し続けるため」に優先度の低いものをカットするつもりで。
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■超根本的なこと
・結局のところ、問題は「管理能力をオーバーして物が溜まっているのに溜め込むのは止めない」事にある。
これは 捨てられない + 集めてくる = 魔窟 と言う図式になる。
いつもこうだというわけではない。大抵は自室に居る時にはうんざりしていることだろう。ただ、「気になるもの」が目の前にある瞬間にはそれらが吹っ飛んでいる。
何よりも即効性の在る根本的な対処は「物を増やさない」ことだが(何せ捨てられないのだから)、これは普段の心構えから見直すしか無い。
コレクション(笑)を増やすな。
「安いから」で買うな。
「もったいない」で拾うな。
「特をした」と思って貰ってくるな。
・根本的に「所持すること」に対しての認識がかなり甘い。収納スペースのことは考えずに「欲しいから」で手に入れるのは問題だろう。
目的が「入手すること」だけになってはいないか。
トロフィーなり記念品なりコレクションなりは粗雑に山積みにされており、ただ持っているだけで、大切にはされていない。
コレクション(笑)なのはそういうことだ。物が減れば、残ったものを大切にする余裕もできるのではないか?
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■捨てられない人の「敵」
・わんこそばならぬわんこガラクタをしないためにはオカワリしなけりゃいいわけで、そのために「そもそも増やすな」と言ったわけだが、これの邪魔をする「敵」がいることは覚えておく必要がある。
まぁその前に大抵の人間が「簡単には物を捨てられない人間」だという自覚も必要だが。
前述の買うな、拾うな、貰ってくるな、についてだが、「買わせようとする人間」と「押し付けようとする人間」に注意しよう。
・「買わせようとする人間」
これはサンプルがいくらでもある。割引、初回限定、期間限定、タイムセールなどなど。
大抵は「今しかない」「得だ」と思わせて、買わせる。
マーケティングのテクニックとしてありふれていて、特に珍しくもない。
「買わせるテクニック」は他にも色々在るが、1つ1つに免疫をつけるよりは「これは本当に自分が欲しい物なのか」と考える癖を付けたほうがいいだろう。
忠告しておくと相手の方が圧倒的に上だ。どれくらいかというと無意識レベルの印象操作とかも普通に「有り触れている」。
つまり自分の「印象・感情」があまりあてにならない。「頭で」考える事。
・物の金額がはっきりしている場合(つまり買った場合は全て)、金額が捨てるときの「未練」になる。
これは実際に払った金じゃない事が多い。一万円の商品が半額で五千円で買った時、捨てる時は「これは一万円するもの」だと考える。
基本的に買うより捨てるほうが、求められる決断力が多いことは覚えておいたほうが良いだろう。
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・「押し付けようとする人間」
これがかなりたちが悪い。自分で捨てられないから人に押し付けようとしているからだ。
基本、自分が要らなくなったものを捨てられなくて他人に押し付けようとする。まぁもったいない精神で欲しいかどうか聞いて回るまでは良いんだが。
その後が相当しつこい人間がいる。どれだけ良いものなのか、買った時いくらしたのか、etc。じゃあお前がそのまま持ってろよと。
・要するに彼らは「捨てられない」から後がない。引き取り手がいなければゴミを抱え続けることになる。
明らかに自力で捨てられないのが悪いのだが、「まだ使える」「もったいない」と相当しつこく引き取り手を探す。
・こう言った人間を、片付けの専門家だかが「他人をゴミ箱にしている」と指摘していた。ごもっとも。
・どの道、同情の余地はなく、不要物を引き取ってやる筋合いもなく、「自分で困るべき案件」なのは間違いない。それを絶対にやろうとはせず、逃げ道としてしつこく他人に押し付けようとしているのだからまぁ、最低だろう。
・重ねて言っておくが「しつこく」「押し付けようとしている」のが悪い。別に欲しい人間にくれてやるのは問題ない。
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