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■目次
・汚部屋の惨状
・汚宅
・汚部屋であるデメリット
・片付けられない/片付けない理由
・汚部屋で暮らし続ける理由
・効率(笑)
・捨てられない理由
■汚部屋の惨状
・汚部屋について初めに忠告しておくと、画像検索はしないほうがいい。人によっては夢に出るかもしれない。
・また、「汚部屋」という言葉は自然言語であり、その言葉を口にする人間によって「重み」が全く違う。
自覚症状も2~3日片付けをしなければ汚部屋だったり、何年も掃除していなくても「これが普通」と思っていたりとかなりの差がある。
このページでの定義は「ちょっと散らかっている」「数日掃除をしていない」と言うレベルでは全く無く、他人から見たら比喩でもなんでも無く「人が住める場所じゃない」と思うような惨状とする。
・基本的には床がゴミで見えない。足の踏み場がないか、よくても座る場所がない。
・衣類が脱ぎ散らかしてある。
・使用済みのオムツ、食器、生ゴミなど即処分するべきようなものが平気で散らかっている。
・ゴミ袋が天井まで積み重なっている。
・行く所まで行くと、風呂やトイレまでゴミで埋まっているケースもある。
・わくわく害虫らんど。触れ合えるコーナーもあるよ!
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■汚宅
・部屋にとどまらず家中全体がひどい場合は、「お宅」にかけて「汚宅」なんて言ったりもするようだ。主婦同士のコミュニティでしか通用しないかもしれないが。
特に「家の中だけ」が魔窟となっており、家に呼ばれて入ったら悲鳴が上がるパターンが多い。
・興味深いことに、調べた限りでは汚宅の住人は高齢者の一人暮らしか専業主婦がいることが多かった。即ち「片付けている暇がない」というわけではないようだ。
※
福祉の仕事をしています。ゴミ屋敷と呼ばれるお家に訪問することがたびたびあります。
掃除のお手伝いをする事もあります。
ゴキブリの死骸や糞、腐った生ごみ 吐きそうになる悪臭
ゴミの中で暮らしていて、トイレに行くのが面倒と部屋で用をたしそのままという人がいました
びっくりです。
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■汚部屋であるデメリット
・不衛生による健康被害。
アレルギーの人が汚部屋に入るとくしゃみや涙が止まらないらしい。
また、皮膚系の酷い疾患の写真も見かけた。単純に不潔なのが理由らしく(二年間風呂に入らなかった)体中黒い斑点が出ていた。
清潔にして薬塗ってたら治ったらしい。
見たければ画像検索で探してみればいいが、私はそれを思い出して今これを書いてるだけで鳥肌が立っているとは伝えておく。
・害虫/害獣
黒くて早いアイツやノミ、ダニ、ネズミなど。これらは健康を損なったり、ネズミは直接怪我の原因にもなり得る。
・悪臭
言うに及ばず。ゴミの種類にも依るだろうが。
また、悪臭が発生する = 腐敗している ということはガスが発生していることにもなる。
汚部屋住人はあまり換気をしない傾向が強いので、そのうち爆発するかもしれない。
・能力が落ちる
部屋が乱雑な状態だと情報処理能力、集中力が落ちることがわかっている。これに加えてストレスだけは増える。
これは部屋に限らず、汚部屋の写真を見たり、アイコンまみれのデスクトップを見てもこうなるようだ。
汚部屋を見て悲鳴を上げるのも道理だと言える。
人間は光が目に入ってからそれが何であるか、どういった意味を持つのか、それに対してどうするのかを無意識に思考/判断している。それが終わって初めて本人は「見た」と認識する。
つまりただ「見るだけで」、脳は無駄に働かなくてはならない。
汚部屋だと単純に脳の仕事が多すぎて「処理落ち」する。
簡単に言うと、スマホでもPCでもアプリケーション起動しまくったらカクついたりフリーズするのと同じ。
・後述するが、何よりも問題なのが当の本人がこれらの悪影響に慣れてしまっていることだ。
なんか痒いけどそれが普通。
害虫とかよく見かけるけどそれが普通。
鼻はとっくに麻痺してる。
これらに気付く注意力、判断力は汚部屋のせいで低下している。
結構詰んでる。
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■片付けられない/片付けない理由
・基準がおかしいことが多い。要するに「これで普通」だと思っているケース。
ある女性が友人宅のあまりの汚宅っぷりに(洗面所にはコケが生えていて壁はカビで真っ黒)30分と耐えきれず、そそくさと帰った時の話。
※
数日後、友人が突然来たんです。旦那さんを連れて。私があまりの汚さに帰ったことを二人とも根に持って、突然訪問してやろうと思ったそうです。
どうやら二人の実家も汚宅らしく、これが普通と思っていたそうです。人が来るときだけきれいにしていると思っていたそうです。
※
・ホーディング(溜め込み症)は生きていこうとする活力が何らかの原因で枯渇していることが結構多いのだが(セルフ・ネグレクト)、このケースの場合逆恨みで旦那同伴の突撃をかましている。ある意味元気だ。
もう一つのよくある原因の「溜め込まずにはいられない」という強迫観念も、なさそうに思える。この場合不安性を患っていることが多く、そもそも他人を家に呼ばないだろう。これだけじゃ断定はできないが。
・そうなるとやっぱり「汚宅で生まれ育ったサラブレッド夫婦」であること自体が原因ではないだろうか。
人間は幼い時に生まれ育った環境にあったものを「基本」とする判断基準を構築する。これはかなり根が深く、大抵の場合その基準を疑いもしない。
この夫婦は意気投合していることだろうね。他所から見たらモンスターだが。
・状況を認識できて、問題意識はあり、尚且つ「片付けられない」「掃除ができない」場合は
ADHD/ADDやアスペルガー障害などの何らかの原因も考えられる。
集中力、注意力、決断力などが不足している症状だ。他人から見た場合はだらしがない、集中力がないと思われる。
・ADHDは「効率」にこだわる傾向があるとする意見がある。効率にこだわるあまりそれ以外を「やらない」。…どちらかと言うと強迫性障害の完璧主義者がこれなんだが。
これは「手元にあるものをとりあえず片付けよう」という考えにはならないということを意味する。
また、「決定権への異様な執着」があるとされている。これが対人関係でうまくいかない理由だともされているのだが。
要するに他人の指摘などには反発し、自分からやる気にならないと動かない傾向が強い。
その上で汚部屋は判断力を鈍らせ、決定力を削ぎ落とす。そもそも「どこから手を付けたらいいかわからない」量だったとすると、やる気が湧くだろうか?
まとめると、
1.「後で一気にやったほうが効率がいい」
2.判断力が鈍ってるから他人から見たらヤバイレベルでもそのまま
3.見かねた他人に指摘される
4.「じゃあ絶対やんない」
なんというか、詰んでる。
一応アドバイスだが、作業興奮というのがあって、要するに「やる気は後から湧いてくる」。
やる気が勝手に湧いてくるのを、つまり自分が「その気になるのを」、何もしないで待っているようだと(多分そんな日は来ない)ゴミは貯まる一方だろう。
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■汚部屋で暮らし続ける理由
・前述の通り、基準が違う可能性が最も高い。
つまり「何が問題なの?」「このくらいどの家でもそうでしょ?」というケース。
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お茶を飲んだりしてすごし、しばらくしてトイレに行きたくなったので
トイレ使いました
そこには落し物がべったりとついていました
きっと掃除した後に子供が汚したのねと見なかったフリをしました
手を洗ってリビングに戻ると、
トイレ汚かったでしょう。まだべったりついてた?と聞かれました
なぜ、人が来ることをわかっていて掃除をしない?
トイレなんて最優先に掃除するところじゃないの?
もう一度トイレを使うことが嫌になりすぐに帰りました
人の落し物なんて見たくないわよ
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・次に気力がないケース。精神疾患や発達障害など理由は様々だが、汚部屋であることを認識し、片付ける必要性を感じているにも関わらず「できない」。
この場合自分を攻め、症状が悪化することもある。
・さっきもちょっと言ったがこの場合、効率のいいことをやろうとして勝手にハードルを高くしていることが多い。
「理想の効率的なやり方以外は無駄であり、無駄なことはやってはいけない。
やる気があるときのほうが捗るからやる気が出るまではやらない方が効率的だろう。
これ以外で片付けようとすることは時間を無駄にすることになる」
とかなんとか。身近に一人いるが、何もかもこんな調子で最終的には「やらざるを得ない状況」になって慌ててやっている。
こうなる前にやる気が湧いて、自主的にやっている所は滅多に見ない。
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■効率(笑)
言っておくが、「効率的」にするためには全体像を把握した上で作業を「ひとまとまり」に組み合わせなければならない。
「効率的」をスローガンに片付けを先延ばしにするのは「片付け」と言う作業そのものを溜め込んでいることに他ならない。
この時点で片付け/掃除に取り掛かるタイミングがかなり遅れる。タスクが溜まって、つまり部屋がある程度汚れないと「効率が悪い」からだ。
「まとめて一気にやる」つもりでいる場合、先延ばしにすればするほど効率的だと錯覚する。変なケチ臭さが彼らには在る。特に手間/労力に対しての。
現実には「手に負えなくなるライン」が存在しており、そこにぶつかるかぶつからないかのチキンレースをしているだけだ。
完璧主義と同様「白黒思考」であることは片付けられない大きな原因だろう。
この考え方は基本的に「できて当たり前、できなきゃ失格」であり、達成感や充実感と言った攻略することの「旨味」が全くない。だからやる気がなくなっていく。
ちなみに完璧主義のくせに部屋が汚い人間は結構いるようだ。この理由が「できないからやらない」だそうな。
もっとシンプルに、「今からゴミ10個捨てる」とかのほうが絶対に捗るぞ。
第一にゴールが目前にあり、今すぐできる。
第二にカウントできる(進捗状況が一目瞭然)。
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■捨てられない理由
・一応、人間は自分の物を捨てる時に「紙で指を切ったときと同レベルの痛み」を感じるらしい。だから「捨てたくない」と言う気持ちがあるのは自然なことなのだろう。
今回の場合生ゴミとかなんだとかのネズミや虫しか喜ばない物を捨てないのだから、これは関係ないだろう、とは一見思うのだが。
・こういった人たちが「きれいな部屋」を見ると、空っぽの、寒々しい、寂しい部屋に見えるらしい。「物が少ないから」。
ゴミの山こそが人間味の在る、生活感の在る、「自分の家」である一種のマーキングであり、ゴミそのものは自分の日々の「記録」だと感じているのかもしれない。
・確かに自分の所有物に対してアイデンティティを人間は感じる。特に家、部屋などはそうだ。だとすれば、「汚部屋のパーツ」であるゴミは彼らにとってはまさしく「自分の物」であり、「捨てたくない物」なのかもしれない。
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