もっとうまくなるために:上達のコツ
勉強、技術、そして趣味。仕事で必要だったり、どうしてもそれが出来るような自分になりたかったり。様々な理由で「上達したい」と思っていることがそれぞれあることだろう。
努力を続けているうちにスランプになることがある。
独学だから駄目なのか、というとそうでもなく、教わっていたとしてもこういうことはある。根本的にモチベーションが保てないこともあるだろうね。
好きでやってたり、必要でやってたりすることで、尚且つ十分な努力をしているはずなのになぜこういった「行き詰まる」ことが起きるのか?
そして順調に成長することが出来る「上達のコツ」とは何か?
§目次
◆基礎をマスターすること
◆「完成した状態」をイメージできること
◆課題発見能力
◆「使える情報」は別分野からも取り入れること
◆他人のアドバイスの是非について
◆要らない「先回り」のアドバイス
◆まとめ
…目次だけでいいんじゃないかこれ。だめか。
◆基礎をマスターすること
「上達」を意識するとどうしても早く先へ、もっと上へと考えがちになる。だが、足場がグラついている状態で新しい/高度な技術など身につくはずは無いだろう。
上達の実感がなく、無限ループしているような状態だとその内モチベーションは下がっていく。達成感は分かりやすい「
強化子」として機能するが、それが一切得られないのだとしたら当然だろう。
自分がすでに「できてる」と思っていることが現実にはできていない場合、こういったスランプは起きる。
武井壮がタモリに語った内容がとても参考になる。
※
武 やっぱり、自分の身体を動かす技術を上げておかないといけない。はい。当然のことなんですけど。スポーツやるにしても、何か、いろんなことするにしても。やっぱり頭で思っていることと、実際やっていることがずれていると、なかなかうまくいかない、ということがあるじゃないですか。
http://logmi.jp/5734 より引用
※
・逆を言えば思い通りにならない部分を克服すれば、思い通りに近づくことが出来る、ということでもある。
思い通りに行っていない部分を探し、修正するように意識すること。
※
武 まず1個は、自分の身体を思ったとおりに動かす、っていうこと。まず一番簡単なことでいうと、たとえば、目をつむって立っているときに、真横に腕を挙げてくださいっていうと、アスリートとかでも、結構上にあがっちゃったりとか。目をつぶってやると、こうやってちょっと下がったりとかすることがあるんですよ。
これってすごい問題なんですよ、アスリートにとって。
武 だって、スポーツをやっているときって、だいたい投げるときは自分の腕は見ていないでしょう?
打つときも、自分がバットを見てないでしょう?
大体スポーツをやるときは、違う視線があって、自分の身体を動かしているんですよ。だから、見えていないものを動かそうとしているんですよ。
これの状態(腕を真横に上げている状態)で、スポーツしていないのにずれているっていうのは、スポーツしたら必ずずれているんですよ。
http://logmi.jp/5734 より引用
※
・足場そのものが不安定だった場合、当然その上に積み重ねるものは「崩れる」可能性がある。どうしてもそれ以上何も積み上げることができない、ということも在り得る。
基礎の基礎から(むしろそういったものこそ)しっかりと習得すること。
また、武井壮はこの腕を真横に上げるということを「簡単に直せること」であるとし、「ただ単に誰も気にしないからいつまでもそのまま」であることを語っている。
成長が行き止まったときは、そんな「盲点」が自分にないか考えてみよう。
◆「完成した状態」をイメージできること
あなたが既に世界一である、というわけではない限りは、自分より上手な者、詳しい理論などがきっとある。それらから学習し、「答え」を理解することは上達のスピードを飛躍的に上昇させる。
※
武 スポーツっていうのは、まず技術練習する前に、自分の身体を思ったように動かす練習をしておくっていうのが一番大事で。
僕はいろんなスポーツをやっているんですよ、10種競技とかやっているじゃないですか。10種目あるんですけど、技術練習はほとんどやったことがない。
こういう練習、自分の身体を思った形にする練習ばっかりしていて。あとはフィジカルのトレーニングをしている。試合場へ行って、かっこいい飛び方をしているやつの真似をする。
タ へえ。
武 かっこいい飛び方を普段から「ああやってやるんだ」っていったら、「ああやってやるんだ」をできるようにしているんですよ。
http://logmi.jp/5734 より引用
※
・思い通りに動けるようになった上で理想の結果、つまり「正しい答えがどういったものか」を知っていること。
◆課題発見能力
課題発見能力がないと自分ができていないこと、自分が身につけるべきことに気づけず、的はずれな努力を続けるハメになる。
・当たり前の話だが、頭空っぽでただひたすらに練習に打ち込んだ所で上達はしない。成果は少しはあるかもしれないが、それはその方法に「慣れただけ」であり、上達ではない。
・「練習」という言葉の内訳を改めて確認しよう。
反復練習はもちろん必要だ。言葉通り「身につく」。だからこそ間違ったやり方が染み付いたり「変な癖」がついたりすると後で伸び悩む。
反復練習と同じくらい重要なのは課題発見能力、そして課題をどう解決するのかを考えること。つまりは「試行錯誤」でなくては意味がない。
何も考えずにただひたすらの練習は初めはやり遂げることに達成感などが味わえるかもしれないが、必ず伸び悩む。学ぶべきことも改めるべきことも身につけるべきことも、「ただ繰り返すだけ」では何も出てこないからだ。
頭は使わなきゃならない。それも「努力」の内だ。
◆「使える情報」は別分野からも取り入れること
例えば海外のバレエ教室では「解剖学」も学ばなければいけないようだ。これらは正しい筋肉の付け方、動かし方の役に立つのだという。
アルキメデスは浴槽に入った際に水面が上がるお湯を見た時、王冠を傷つけずにその材質が純金かそうでないかを見分ける方法を思いついた。
ニュートンがリンゴが落ちるところを見て万有引力の法則のヒントとしたことも有名だ。
関係ないことだと決めつけないで「自分の上達に何か使えないか」と常にアンテナを張っておこう。
同じ努力をするのなら、よりゴールに効率的に近づける「精度が高い努力」の方がいい。
そのための情報収集にも注意を向けよう。時間は有限なのだから。
・1つ注意しておくが、良さそうなヒントややり方があった場合に「取り入れる」というスタンスでまずは考える事。
「乗り換える」のは最後の手段にしよう。乗り換えるのはある意味リセットであり、今までの積み重ねは幾らか手放すことになる。
それが必要な時もあるのだが、だからこそ判断は間違えないように。
また、反対に今までの積み重ねを惜しんで自分でも薄々的はずれだと思っていることを続けてしまう者もいる。
現実には間違った努力を続けても望んだ報われ方はしない。他人に褒めてもらうのが目的なのならそれでもいいかもしれないが、そうじゃないだろう。
ダメだと気づけただけでも収穫であり、成長だ。その発見を活かすべきだろう。
◆他人のアドバイスの是非について
あなたが何かを頑張っていると、アドバイスをしてくる者が現れることだろう。
この際注意するべきことは、まず相手がド素人の思いつきで口を開いているのか、それとも自分よりも詳しい知識を持っている或いは自分より経験者であるのかという点だ。
前者なら全く価値はない。ヒントになるかもしれないが、それすらその内自分で思いつけたことだろう。振り回されるというデメリットのほうが大きい。
後者である場合も相手はその道にあなたより熟練し、知識はあるかもしれないが、「教えること」そのものについては大抵下手だ。
お互いに「伝えた」「伝わった」と思っても※暗黙知に該当おする部分※は言語化出来ず、伝わらない。必ず与えられた情報は「咀嚼」すること。間違っても鵜呑みにはしないこと。
「俺を信じて黙ってやれ」みたいなことを言うタイプはお引き取り願おう。 この声に従うと「それだけは出来る」という中途半端な状態になる。自分で理解し、身につけ、実践する能力が育たない。
悪気はないのかもしれないが性格と言い方は悪い。言ってることは正しくても居るだけで邪魔だ。 後述の「要らない「先回り」のアドバイス」を参照されたし。
どの道あなたが理解して身につけたことしか、あなたの体はアウトプットできないのだから。「信じる」と言う概念自体が不要どころか邪魔になる。ただの思考放棄だ。
同じ情報を手に入れるにしても、人に言われるよりは自力で調べて入手したほうがマイナスが少ない。
尤も、目の前で実践する所までやってくれるのなら非常に勉強にはなる。
◆要らない「先回り」のアドバイス
面白いことに、大抵の者は甘ったれには関わりたくないが、反対に自分ひとりで何かやり遂げようとする者に対しては応援やら口出しやらをしたくなってくる生き物だ。だがこれが裏目に出ることがある。と言うか多い。
あなたが既に自分で考え、実践し、立ち止まって再考し、軌道修正することが出来るなら、こういった「アドバイス」はたとえ正しくてもその内あなたが自力で辿り着けたことだ。
その際に得るはずだった成長による達成感、充実感、努力が着実に報われているという「実感」(これらは
強化子として機能し、あなたは努力することが好きになるはずだった)は、アドバイザーの「先回り」で台無しにされる。
余計なアドバイスをされたせいで「自分の力でここまで出来た」とは感じられなくなるからだ。
元から食べようと思ってたカップラーメンに、親切ヅラして冷水入れるようなもんだ。ご丁寧に割り箸つけて。気を使うのそっちじゃねーよってな。
また、あなたが内的な動機で(要するに自らの目的と努力で)元からやり遂げるはずだったのに、それを自力でやり遂げた時にドヤ顔で「ワシが育てた」なんてツラされたらウザいだろう。やる気が無くなる。
こういった「要らないアドバイザー」は結構いる。悪気はないのだろうが、邪魔にはなる。素直に取り入れることができれば良いのかもしれないが、アドバイスされる側もまた人間だ。なかなかそうはいかない。できたとしてもなんとなくスッキリしない。
わかりやすく言うと、そのアドバイスが要らない手助けだった場合、得られたはずの経験値が減ることになる。
こういうことについて「せっかくアドバイスしてくれているのだからちゃんと聞くべきだ」みたいな意見が多数なのだろうが、努力というのは自分で実際に歩を進めていく行為だ。基本的に耳障りが良いだけの綺麗事は役に立たない。
現実にマイナス要素はある。後は各自の判断に任せる。
割りとあなたの価値観次第な話だが、それ次第では努力していることも隠したほうがいいかもしれない。 理想のアドバイザー像はシンプルだ。「困ったときにだけヒントをくれる」。
あなたはあなたで「自分で考える」ということを止めないように。
◆まとめ
全くの初心者の場合、聞けば出来る、教えてもらえばできるようになる、と思い込んでいる。
ある程度努力を続けてこれた者ならば、結局自分が出来るようになるためには自分が努力し、自分が理解し、そのために自分で考えたり決めたりしなきゃいけないことは分かっているはずだ。
このページで述べたこととは結局のところ、「余計な横道にそれないように」という一点でまとまっている。
そのために基礎をしっかりと抑え、凝り固まらず、そして惑わされるな、という話だ。
「壁」にぶつかる前から、自分がまっすぐ進めているかどうかは注意しておこう。
成長が確認できるような記録をつけておくのも良い。「やっているだけの効果は出ている」と実感することはモチベーションの維持に役に立つ。
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