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考えすぎる人の悩みと対策

考えすぎる人の悩みと対策









後先考えずに行動する人間は周りに迷惑を掛けるものだが、反対に考えすぎて何もできなくなるというのも問題だ。どちらかと言うと、大半の人間はこの「考えすぎ」による不都合に苦しめられてはいないだろうか。

考え過ぎるとドツボに嵌り、怖くなったり、やりたくなくなったり、余計に不安になったり、考えるだけで疲れたりする。多くの人が経験として、これらのことは知っているだろう。
なぜ考えすぎてしまうのか?

どうすれば程よい思考で切り上げる事ができるのだろうか?



考えすぎる理由



・やりたくない

前向きな、自分がやりたいことを考えている場合は比較的容易に「結論」にたどり着き、行動に移す。

反対に消極的な感情しか抱けない物事、例えば嫌なこと、やりたくないこと、関わりたくないことなどが対象の場合、大抵ずっと考え続ける。時には結論に到達しかけると、わざわざ振り出しに戻ってまた悩む。

この違いはなんだろうか。目立つ相違点としては、前者は初めから「やる気」であること、つまり行動するつもりでいることに対し、後者は「できればやりたくない」、行動するかしないかをまだ決めていないことが挙げられる。

本気でやりたくない場合、結論が出てしまうと困るわけだ。やらないといけなくなるから。だから考え続ける。振り出しに戻って。

・材料が足りないから考えがまとまらない

考える目的とは、答えを出すことだろう。これを行うためには、適切な材料と、その組み合わせが求められる。

ジグソーパズルのようなものだ。では、パズルのピースが足りなかったら?

当然、いつまでも完成はしない。無理やりねじ込んだり、歪めたりすれば、それだけ答えからは遠ざかり、的はずれな満足感と的はずれな答えだけが手元に残ることになるだろう。

情報収集は思考では補えない。実際にやって、聞いて、確かめて、そうやってピースを集めていくしか無い。

・完璧主義者

大人に多い特徴として、完璧主義的思考で「理解してからじゃないとやりたくない」というのがある。失敗したくないだとか、考えなしに動きたくないだとか、言い分は様々だろうが。

残念ながら答えを知らない状態では最適解なんて判るわけがないし、答えを知るためには経験するしか無い。「やってみなくちゃわからない」と言う言葉は、時と場合によるが正しいこともある。

もちろん最低限考えることは必要なのだが、思考のプロセスとはそもそも仮説→検証/確認→フィードバックだ。仮説段階で検証や確認もせずに「結論が出るまで行動はしない」なんて居座ってたら、いつまでも何もわからないままだろう。

・ゴールを意識していない

基本的に思考は拡散する。脳は類似した記憶、関連した記憶を想起しやすく、言わば連想ゲームになりやすい仕組みになっている。

これは、頭の中に浮かんだものを選別せずに全て相手にしているといつまでたっても思考が終わらないことを示唆している。

何について考えるのか、どうなればゴールなのか、その辺りは最初にハッキリしておかないと「迷子」になるだろう。

また、「どこまで考えるか」を設定していないとこれまた深みにハマることになる。後述するが、「フレーム問題」の様に、一応の答えが出た上でさらにどこまでも考えるのなら、問題なんていくらでも見つかり続け、いつまでも行動には至れない。

人間は、他の動物と比べて「未来を予測する」と言う能力に長けていると言われている。だが、やはりポテンシャルを一番発揮できるのは「目の前のことに集中している瞬間」であることは忘れないほうがいいだろう。要するに、先のことを気にすればするほどスペックが落ちる。「何をやるのか」というゴールに辿り着いたのなら、もうそれ以上は悩まないほうが良いだろう。

・考えるだけでなんとかなると思っている

考えるだけじゃ預金残高は増えないし、性格悪い奴は性格悪いままだし、休日が増えるわけでもない。

結局のところ、何らかのアクションを起こさないかぎりは解決もリアクションもない。

最小限の行動で最大限の結果を、みたいなことを考えていると、大抵チャンスは通り過ぎ、取り残されることになるだろう。大抵の場合、熟考している時間は与えられない。


・結論に至る思考

逆説的に、結論に至る思考という物もこれで見えてくる。

初めから行動に起こすつもりでゴールを意識し、材料を集め、考えて判ることとやってみないと判らないことを区別し、分からないことは確かめ、実践する。

もう一つ、「絶対に考えておきたいこと」が1つだけある。それは「取り返しがつかない要素」の発見だ。ただ、それがわかった上で切り捨てざるを得ないこともある。決断力も必用になってくるだろう。


取り返しの付かない要素次第では「行動に起こさないこと」が最適解である場合もある。そういった時に割り切るためには、後述する「ハンロンの剃刀」が使えるだろう。





 





負のスパイラル

・ネガティブな思考は負のスパイラルになりやすい。不安が不安を呼び、恐怖が人を消極的にさせ、余計に悩みの種が増える。

・最終的に、「最悪のケースへの対応策」が見つかるまでは動きたくなくなる。そしてそんな素敵な対応策は自力では出せないだろう。

 物事に対する結論とは、自分が持っている経験や知識、情報を組み合わせて作るものだ。これらが足りなければ偏見や思い込みとなり、即ち思考としては「失敗」となる。

 加えて言えば全てが足りている状況などありえない。他人の存在や自分とは別の都合で決定される不確定要素もあるし、何よりも「全て分かっている」という確証や補償はどこにもないし、それを手にすることもない。

 十分な警戒/準備/思考は必要ではあるが、その上で「何かが足りないかもしれない」と思いつつも決断するしかない。言うなれば「暫定力」のようなものを意識したほうがいい。これは力だ。

・知っておいたほうがいいこととして、「体調や精神状態によって思考回路が変わる」という点がある。

 体調に拠って精神状態は簡単に変わる。自身に何らかの不調がある場合、消極的な結論を出す傾向が強くなる。

 これはただ単に「腹が減った」程度で変わるそうだ。アメリカの判事が仮釈放を許可するパターンを調べた所、昼食前が一番厳しく、食後は途端に甘くなる傾向が発覚したとか。これは仮釈放の許可を出すという「冒険」を避けた結果だとされている。思考がネガティブ過ぎて嫌になるようなら、一度忘れて気分転換したほうが建設的なのかもしれない。

 以上のことから、考え込むのなら体調や精神状態も気にするべきだといえる。もっとも、慎重を要する事柄ならむしろ消極的な方が良いかもしれない。これはあくまでも思考回路のベクトルの話であり、「正しい答えが出せるかどうか」ではないのだから。

 

考えすぎる病気

・「そういった思考」をしてしまう病気というものはあるのだろうか。

・全般性不安障害

精神病の1つ。過去のことよりも将来の不安を過剰に心配する傾向がある。若い女性に特に多い。

 (仕事や学業などの)多数の出来事または活動についての過剰な不安と心配が、六ヵ月以上続いている。
 心配や不安がない日よりも、ある日のほうが多い。
 不安や心配を自分でコントロールするのが難しい。
 不安や心配は、次の6つの症状のうち三つ以上を伴っている。
①そわそわと落ち着きがなく、緊張したり、過敏になる。
②疲れやすい。
③集中力がない、または心が空白になる。
④刺激に対して敏感に反応してしまう。
⑤肩こりがあるなど筋肉が緊張している。
⑥眠れない、または熟睡した感じがしない。

 このほか自覚症状として、「原因不明の頭痛やめまいがある」「のどのつかえがある」「吐き気がある」「手足の冷えや熱感」「冷や汗をかいたり、赤面したりする」「息苦しい」「動悸がする」などなど、患者さんの訴える症状は多岐にわたります。

アメリカでは20人に1人が一生の内に一度罹ると言われている。

また、考えすぎ/悩みすぎそのものが病気の原因となる事もある。悩みは分かりやすく「ストレス」であり、過剰なストレスはうつ病や不安神経症などへと発展する可能性がある。



考えすぎた果ての病気

その他「自律神経失調症」として

  • 朝起きると身体が重い/だるい
  • 深刻な肩こり/頭痛/筋肉疲労などが続く
  • 下痢や腹痛などが多い
  • 不眠症
  • 頻繁な頭痛

等がある。

以下のリンクはチェックリストも解説も詳しく載っているので、気になるのなら参照のこと。

考え過ぎないために

・考え過ぎないための方法、習慣、理論。


・根本的な問題として、材料が揃っていないならいくら考えたって解決することはない。トンデモ理論か極論が生まれるだけだ。つまり「考える段階ではない」という状態で考えこむとドツボにハマることになる。

このような状況で考える必要があるのなら、暗黙知が足りないこと、つまり「知らない部分」「わからない部分」と言う「透明なパーツ」を使って考えているのだと自覚する必要がある。これを忘れると後からの情報の追加が難しくなる。反対にこれを意識しての「仮説」状態でなら、すんなりと新しく手に入れたパーツを嵌めこむことが出来る。

・また、自分の思考や状況に対しての「アラ探し」は程々にすること。人間にバイアスがある限り、実在しようがしなかろうが「問題があるはずだ」と思って考えると捏造してまで問題を作り出す。アラ探し自体を止めないと、いつまでも問題は見つかり続けるだろう。


また、こうして見つかった「問題」は、事の大小が本人には区別ができなくなるケースが多い。こうして、とるに足らないことに怯え、行動に移すのをやめてしまうのはもったいないだろう。

いずれにせよ、最終的には行動するものだということは忘れないでおこう。

それでは、以下に使えそうな気がしないでもない概念を紹介。

・フレーム問題

人工知能の分野で言われている問題。ここで言うフレームは、「どこまで考えるべきか」と言う枠組みだ。

かいつまんで説明すると、「簡単な指令を与えただけなのに人工知能は無限に考え続けて動かなくなる」と言う話。考えすぎる人と状況が似ていると思わないだろうか。

この問題の原因として人工知能が、

  • ありえない事まで考慮している
  • 派生する問題を無限に計算し続ける

という点が挙げられる。やっぱり人間と似ていると思わないだろうか。

人間に似てはいるが、実際にはフリーズしている人間なんてあんまりいない(たまにいる)。なぜだ?

人間は蓄積した経験からの推測で大体のフレームを決定しているという説がある。「ここまででいい」と範囲を仮決定しているわけだ。

フレームが広ければ広いほど計算は正確になるだろうが、自分で処理できないレベルだと、人工知能同様に人もまた動けなくなる。「等身大のフレーム」で考えよう。

・オッカムの剃刀

オッカムの剃刀(オッカムのかみそり、英: Occam's razor、Ockham's razor)とは、「ある事柄を説明するためには、必要以上に多くを仮定するべきでない」とする指針。

オッカムの剃刀の「切り落とす」という概念は、個人的にかも知れないが非常に役に立つ。以下はちょっと拡大解釈していると予め言っておく。

考えるための材料集めは大切だが、いらない情報というものも多い。そしてもっと多いであろうことが、「必要な情報に汚れの様にこびりついたいらない情報」だ。

特に人間は、自分の意見を他人に押し付けようとする際、その信憑性を高めるために余計な言葉をくっつける。

「テレビでやってた」

「ネットで見た」

「○○大学の○○教授が言ってた」

「みんなやってる」


etc。これらは「ハロー効果」と言い、認知バイアスという心理的作用の一種だ。正しい意見や多数派の意見に見せかけようとする小細工。そして人は結構これに弱い。

強引に押し付けられると考察の余地なく、「信じるか、信じないか」の二択を迫られる事になる。相手のペースだ。


これらは全部切り落とすべきものだ。情報そのものには何ら影響がない。「そういった情報がある」それだけで材料としては十分だ。


人間が情報を認識した時点で、主観や他者の思い込みなどの不純物がその情報には含まれている。まずハッキリと確認できている「事実」のみを削りだし、そこからスタートした方がいい。

「必要な情報」だけで考察をしたほうが精度が高いのは言うまでもないだろう。世界中の人間が信じていた所で間違いは間違いだ。パワープレイされるかもしれないけど。

要するに、「問題を過度に複雑にするな」「余計なものを混ぜ込むな」ということ。


欠点は、オッカムの剃刀は目的論に準拠するという点。実はオッカムの剃刀は誰もが既に持っていて、アラ探しをしたければアラ以外は切り落とす、信じたければ疑わしい点のみ切り落とす、そういった使い方をしている。


自ら的確な思考をする意志を持たなければ、ただのバイアスに成り下がるだろう。

カミソリ繋がりでもう一つ。

・ハンロンの剃刀

これは、『❝無能❞で十分説明できることに悪意を見出そうとするな』という考え方である。

問:「なぜあの人はあんなことをしたのだろう」 → 答:馬鹿だから

これで済むなら済ませてしまえ、という話。自分が嫌いなのかとか、何か恨まれることをしたのだろうか、これは嫌がらせなのだろうかとか考えるのではなく、相手がただ単に「無能だから」「馬鹿だから」で。

古来から言われていたものらしく、バリエーションがいくつかある。その中には最後に、「ただし悪意の存在を除外してはならない」と続く物もある。まぁ、証拠を掴んだのならスマートにやり返してやれ。

まとめると、「割り切れ。ただし油断はするな」といったところか。







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