あなたは本当に何も考えていないのか
「何も考えていない」。ミスを連発したり、自分から動かない人間等を指してよく使われる言葉だ。
当事者もまた、自分の不甲斐なさから自分で自分のことを何も考えていないと思い込んでいたりする。
◆
1:何も思わない人間はいない
人間は一日の内数万の思考をすると言われている。「思考」の定義は色々あるが、まぁ何らかのことをいつも思ったり、思い出したりしている。
反対に意図的に何も考えない状態、無念無想を目指そうとしてみると、頭の中がほぼ自動的に思い出したり、考えたりすることに気づくだろう。訓練してようやく得れるかどうかの状態だ。
「何も考えていない」と指摘された際、言葉通りには受け取ってはいけない。では相手は何を指して考えていないと指摘するのか。
もしも言われる側の人間が、実は周りで言われているよりも実力があったり理解が深い場合には、単純に表現力の問題かもしれない。
◆
◆
2:論理的思考と概念的思考
人間の脳内にある記憶というものは、どんなものでも五感と関連付けて記憶しているという説がある。その中で、視覚と聴覚が最も関連付けられることが多いそうだ。まぁここは信じなくていい。半信半疑で読み進めて欲しい。
このうち聴覚型は言葉、そして文字などの順序立てた論理的思考に特化する。
反対に視覚型はイメージ優先の概念的思考に特化する。
そしてこれらは「癖」のようなもので、大抵の人間はどちらかに偏る。もう片方は「苦手」となる。右利きか左利きかみたいなもの。
右脳人間・左脳人間みたいな言葉が昔はやったが、要するにそれのことだ。実際には左脳に言語中枢があるとは限らないらしいが。
タイムラインの有る思考が得意な論理的思考のタイプには、概念的思考タイプは何考えてるかわからない様に見える。というか、概念タイプは自分の思考を論理タイプに説明するのがものすごく苦手だ。
コリン・ウィルソンの本だったと思うが(ユングだったかな?)、これらを「内向的」「外交的」と言う言葉に置き換えて説明していたのを昔読んだ記憶がある。
曰く、内向型の思考は外向型に対して説明するのが難しく、これらのことから内向タイプは外交タイプに対して勘違いした劣等感を感じており、外交タイプは内向タイプに対して的はずれな優越感を感じているとかそんな内容だった。
簡単に言うと、
キョロ充がおとなしい奴を馬鹿にしてる感じ。不愉快だね。
これらの理由は単純だ。言葉は万能ではないから。実物もなく、名前もまだない抽象的な物なんて、他人に説明のしようがないだろう。
これは暗黙知やクオリアに近い。テレパシーでもできるなら話は別だが。
3:自分で考えていることを知覚・言語化する
ぶっちゃけて言えば非言語思考=概念的思考のほうが爆発力があり、閃きやアイデアといったものはかなり優れている(前述のとおり他人にわかるようにするのが苦手なのでなかなか陽の目を見れないが)。
それと比べれば論理的思考タイプは確実性はあるが、手持ちの材料からしか結論をだせず、限界にぶつかりやすい。
どちらが良い悪いではなく、両方必要だ。右利きの人間だって、左腕が要らないわけじゃないだろう?
そんなわけで、あなたが概念的思考に特化したタイプであるならば、自分の思考やイメージを言語化するスキルが求められる。そこが今現在の弱点だし、頭の中だけでどんなにいいことを考えていたとしても、他人が観測できるのはあなたの「言動だけ」だ。
そして、論理思考ならメモでも取れば続きから考えたり思い出したりすることができるが、概念思考の場合そうもいかない。記録しようと四苦八苦している間にアイデアは消えてしまうだろう。
端的に言って、もったいない。屁理屈よりもよっぽど価値が有るだろうに、形にならないままに消えてしまうのは。
言語化能力、或いは表現能力。要するにアウトプット能力だが、普段から鍛えておこう。閃きを捕まえられるように。あなた自信の論理的思考能力に、概念的思考を形にする作業をやらせる必要がある。
◆
◆関連リンク
カテゴリ:
思考・意識
自分で考えない【思考力がない】人の特徴
自分の頭で考える、その前に。
なんでも聞いてくる『考えない人』
暗黙知について
◆
最新記事はこちらから
サイト内検索:
ツイッター:
→
https://twitter.com/nemomanas
シェアをしていただけると嬉しいです。
ブログ移転しました:
https://embryo-nemo.com/
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
────────────────────────────────────────────────────────────────
[1回]