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なんでも聞いてくる『考えない人』

なんでも聞いてくる『考えない人』


2017/4/4 加筆
9/22 加筆修正

何も考えず、人に聞いてばかり。
わかりきったこと、下らないことを、いちいちなんでも聞いてくる。
後日、同じようなことをまた聞いてきたりもする。
このような人間がいる場合、相手をする者のストレスはかなりのものになる。
質問が下らなく、答えても覚えないから意味もなく、何度も繰り返されて果てがないからだ。

彼らの動機とタイプについては書いた(自分で考えない【思考力がない】人の特徴)が、聞かれた側がなぜイライラするのか、そして時になぜ知っているはずのアタリマエのことが上手く説明できないのか、それらを考えてみよう。








◆聞かれる側がイライラする心理

・言葉で説明するのはめんどくさい

くだらない質問の相手は、時間や思考はもちろん無駄になる。材料も出揃っていて、ちょっと考えればわかるような状況でいちいち聞いてくる人間は当然邪魔となる。

そして大きな理由として暗黙知がある。
非言語思考とでも言おうか、体験を通して、或いは経験を積んで悟ったような知識だ。

人間の思考の全てが、頭の中で言語として行われているわけではない。
だから当たり前のこと(考えるまでもないこと)程、言語化する手間が大きい。

言語化が困難なことも有る。例えば「気持ち」なんかだ。
技術的なことだとしても、例えば箸の使い方、自転車の乗り方なんかを言葉だけで説明してくれ、と言われたら疲れるだろう。
そういった、身についていて、自分にとっては「当たり前」のことで、尚且つ言語化が難しい/不可能な知識。

ただでさえ言語化しにくい暗黙知を、素人に教えるレベルで言葉で教えるなんてことはできれば避けたい厄介事である。元から不可能な場合もある。



・簡単な質問ほどデメリットが多い。

例えば、次のような問題が有ったとしよう。

Q1:「うろおぼえ」と「うるおぼえ」、どちらが正しいか?
Q2:「シミュレーション」と「シュミレーション」。どちらが正しいか?
Q3:カモノハシは毛皮があり、卵生で、オスの爪には毒がある。哺乳類か、爬虫類か、鳥類か?


まぁこんな問題があったとしてだね、この3つの問題群にタイトルを付けようと思う。

候補は二つ。

『現役東大生が答えられなかった問題』 か、
『どんな馬鹿でもわかるはずの社会の常識問題!これが出来なきゃ死んだほうが良い!』のどちらか。





実際にはありふれたただのクイズだから、余裕で答えられるだろう。
ぶっちゃけよくある間違えと、ひっかけ問題でしかないし。まぁページの最後に答えは書いておこう。

本題はここからだ。問題のタイトルが前者であった場合、大抵の人はリラックスして考え、己のパフォーマンスを100%発揮できる。別にわからなくても失うものはないからだ。

反対に『馬鹿でもわかる問題』だった場合はどうだろうか?
社会の常識問題で、わからなきゃ死んだ方がいいとまで言われたら。
嫌なプレッシャーを感じるだろう。正解でアタリマエ。間違ってたら恥をかく。現状維持か、大損かだ。

部下や初心者、素人からの質問、または自分のことに対しての質問は今の例の後者に該当する。答えられて当たり前、できなきゃおかしい。そういったプレッシャーを解答者は受ける。その上で、先ほどの暗黙知の話を思い出してみよう。

言語化できず、或いはしづらい暗黙知だし、ただでさえ相手は専門用語もわからず伝えにくい。

この状況だと確実に、【下らないわかりきった質問】なのに解答者にとっては【難題】となる。知ってるかどうかじゃなくて説明できるかどうか、より正確に言えば伝わるかどうかだからだ。

そしてそれができて当たり前で、できなきゃおかしい、できるべきだとの扱いをされる。フェアじゃないね。デメリットしか無いから。

大抵は『初心者からの質問』=『説明できなきゃおかしい』と聞く側も答える側も感じる。まぁある意味、責任感が強いのか、自尊心か。

当たり前のことを聞かれるのはストレスが溜まるということがこれで分かるだろう。ありえないほど初歩の疑問であればなおさらだ。そして実際に相手に伝わるように説明できるとは限らない。


部下が上司を馬鹿にする、後輩が先輩を馬鹿にするケースの幾つかはこのような、「質問者は聞くだけで判る/できるようになると思っている」+「解答者から見たら経験を積んで身に付けるようなことを聞かれても困る」という図式だったりする。
それで教えるのが下手扱いでもされようものなら溜まったもんじゃ無い。失礼な話だ。






◆ ・「質問者」を「出題者」に置き換えるとイメージがし易いかもしれない。聞かれた側は「回答者」だ。

その上でこの出題者は、出題者としてはポンコツであり、「答えを知らない」。
酷い時には「答えを聞いてもそれが答えだとわからない」。

回答者が正解を口にしても自分に理解できなければ「不正解」とする。
まぁ、これがテレビ番組だったら数回の放送で自然番組と差し替わるだろう。





◆「今日の夕飯何がいい?」

・とても身近で数日毎に繰り返されかねない質問としてこれがある。
親とか恋人とかに聞かれたり聞いたりしたことが有るだろう。
これも前述の通り質問された時点でデメリットが大きい。

「なんでも良いよ」と言えば優柔不断と言われかねない。
「分からない/思いつかない」と言えば「自分のことなのに分からないの?」みたいなことを言われかねない。
「そっちの好きなものでいいよ」と言えば「その答えが一番困る」なんて言われる。
具体的に食べたいものを上げれば「気分じゃない」「私は食べたくない」「それは今度」と言う。

どうしろというのだ。

このやり取りはコミュニケーションとして成立しているのか甚だ疑問である。
質問者は大抵なんとなく聞くわけだが、回答者に対して適当な答えを許さない傾向が強い。

そんなやり取りがメニューに反映されるのかと言えば、結局カスリもしないメニューだったりするわけだ。

思ったことが有るだろう。「なんで聞いたんだよ」と。


・そもそも根本的な話だが、日常においてはそこまでメニューに拘る人間もあまりいない。
「今日カレーを作らなきゃお前とは別れる」なんて言う男いないだろう。
食えるレベルのものを出してくれればありがたく食べるだけだ。

要するに回答者は答えを「持っていない」か「漠然としたイメージ」しかない事が多い。
つまりは答えを「無理にひねり出さなければならない」。

その上で相手にわかるように、つまりは言語化しなければならないとしたら、ストレスを感じることになる。











◆暗黙知を言語化する労力・ストレス

これを読んでいる人は、まぁ大抵は周りにいる『考えない人』や『思いつきで質問してくる人』にうんざりしているからだろう。

目に入ったものや思いついたことを片っ端から聞いてきて、それにいちいち答えなきゃいけないのは苦痛を伴う。

相手が自分の子供とかだったら頑張るかもしれないが、赤の他人だったら『勝手に調べてこいよ』というのが本音だろう。

・もしも、あなたに赤の他人が真顔で近づいてきて『外国の方ですか?』と聞いてきたところを想像してみて欲しい。
ムカつくはずだ。ありえない疑問だからだ。そして確実に日本人だと証明するためには免許やら戸籍といった客観的な証拠を見せるしか無い。つまりは『自力では説明も説得もできない』。

自己愛性人格障害などの異常なしつこさのせいで、被害者が精神を病むのも頷けるだろう。
始終これじゃあ当然だ。



このように、アタリマエのことを証明することは不可能に近いほどの手間がかかるし、時には本当に不可能である。

・この『アタリマエの証明は不可能に近い』というのは、魔女狩りや魔女裁判なんていう茶番で、魔女じゃないことを証明できなかった結果、何人殺されたのか考えてみれば分かる。

正式な魔女裁判の記録だけでも4万人の被害者がいたそうだ。小さなコミューン単位でのリンチも数に入れれば膨大な数になるだろう。

というか、取り調べの時点で実際には拷問なので、どっちみち大体死ぬ。

ペストが蔓延したことの八つ当たりだとか、告発者が「魔女」の資産を没収できるからとか、まぁ色々理由には説がある。

重要なポイントがここで一つわかる。「答えられなきゃ分からないと決めつけられる」点だ。

流石に魔女と決めつけられて殺されることは現代日本ではなかろうが、無能や悪人にはされかねない。
聞かれた時点で、疑われた時点で。

これを「攻撃・反撃」に意図的に使う人間もいる。

子供が「なんで?」と聞くのもまた、わからないから、理解したいからではなく「反抗として」聞いているケースも多いように見える。
「納得しなければ動かない」 = 「お前が説明できない限り言うことを聞いてやる筋合いはない」 という理屈。

「わからないふり」かそうじゃないかは、見破る必要があるだろう。








そんなわけで、くだらない質問に感じるストレスは、何も考えずに聞いてくる質問者への怒りや嫌悪もあるだろうが、答えられなかった時のデメリット、時には不可能である『アタリマエ』の言語化と言った様々な要素がある。

些細な質問だったとしても、似たようなことが何十回と続けばキレて当然に思えてくる。

もしあなたのそばに根気よく何かを教えてくれる人がいるのなら、感謝してその労力に応えるべきなんじゃないかな。

最低でも質問するなら覚えたり理解したりするつもりで聞くべきだ。
メモを取るなどの記録の保存、時には理解するための議論もあるだろう。

わかりきったことを何度も丁寧に説明してやるのは『優しい人間でもキレるほどにストレス』なのだと知っておこう。




◆関連リンク

Q1:うろおぼえ。由来の有力な説は【空・虚・洞】。つまりは【うろ】から。
Q2:シミュレーション。Simulation。
Q3:カモノハシは哺乳類。かなりの珍獣。昔、カモノハシの剥製を見た人の中には他の動物の剥製を組み合わせて創ったキメラだと疑う人もいたらしい。









◆関連リンク:
自分で考えない【思考力がない】人の特徴

考える力とは何か? その1

一を聞いて十を知るには?:思考力

できるのにやらない理由

自分の頭で考える、その前に。


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