思い込みに振り回されないために・あなたがする評価は正しいか?
人間は無意識に何かを評価し、採点する。が、その基準は個人の感情や印象に過ぎず、大抵の場合は決めつけだ。
それはあなたの偏見の正体かもしれないし、あなたの勘違いの原因かもしれない。
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1:第一印象は当たっているか?
第一印象が良い人間が、付き合ってみてやっぱり親切だった。
第一印象が悪い人間が、相手をしてみたらやっぱり嫌なやつだった。
まぁ、経験があるだろう。第一印象は当たると信じている人も多い。
仕組みは簡単だ。第一印象が良ければ、脳はその人のいい部分を「探す」。
悪ければ悪い部分を「探す」。
そして探してないものは「見えない」。あるいは「無視」する。
そして原因は「自分の第一印象を肯定する要素」を探すことが「目的」として設定されたからだ。
だから「第一印象は正しい」と言っている人間は、おそらく一生それを信じるだろうし、実際に「当たってる」と思い続けるだろう。
「第一印象は当たる」じゃなくて、「勘は結構当たる」って言えば、それなりに根拠はあるんだけどね。それにしたって思い込みじゃないかどうかの確認は必要だ。
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2:例えば恋愛で。
例えば恋愛で、付き合う前は恋い焦がれ、憧れていて、良い部分しか見えなかったとする。
実際に付き合うことになって、あるいは同居するようになって、あるいは結婚をして、そういったタイミングで「こんな人だとは思わなかった」と思ったり、嫌気が差してきたりすることもある。
これは付き合う前は「好きだ」という気持ちを肯定する要素のみを探すからだ。あばたもえくぼ。悪いところは見えてないか、それすら魅力的に見える。
ではなぜこの「魔法」が解けるのか。環境が変わることにより、評価基準が発生するからだ。恋人として、同居人として、伴侶として、憧れているだけでは済まない現実的な要素というものも評価対象に入り始める。
そうなった時に「この相手はダメだ」とわかるのは、別におかしなことじゃない。むしろ今までがおかしかったという話だ。こうなってくると離婚するまでの耐久レースかストレステストみたいな生活になる。
結婚して5年以内が最も離婚率が高いというのも、この話と無関係じゃないだろう。
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3:「何と比べるか」で結論が変わる
この歪んだ基準、または自己肯定のための採点をするという心理現象は「加点する気か減点する気か」で比較対象を変える。だから加点したければ点は上がり続け、減点したければ下がり続ける。限度はない。要素が見つかる度にどこまでも動く。
これの問題は、本質的な価値自体は何も変わっていないし、何も理解もしていないままに「わかっている」と思い込むことにある。
もっとも、相手が本当にガラリと変わるということもある。
フレネミーやら
自己愛やら。そういった時もまた、知らないままだと「過去にした評価」に引きずられる生き地獄となるだろう。
バイアスは、瞬時に無意識的に働くものだ。それから生まれる思考というものは、なかなか止められはしないだろう。だが知っていれば、気づくことはできる。自分の今の、そして今までの判断が本当に正しかったのかどうかは再考できる。
「信じる」なんて言葉は、聞こえは良いが思考放棄に過ぎない。せめて自分の思い込みに振り回されないようにしたいところだ。
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カテゴリ:
心理学
勘違いや思い込みの原因
言い訳がましい人間の心理
目的論:アドラー心理学
日本の『恥の文化』と言う価値観
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