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決められない・疲れた・何も考えたくない:決断疲れについて

決められない・疲れた・何も考えたくない:決断疲れについて






◆「決断力」の定義について

今回の「決断力」は、自らがやろうとした、やるべきことだとしたこと、あるいは自制心に対しての実行力とする。
良くわからん状態でなんか適当に決めて直ぐに実行に移すとかそんな感じのビジネス的決断力ではなく(これはこれで一長一短あるが)、あくまでも「個人の意思決定」に関わる決断力。

要するに、決断力を消耗する「リソース」として捉え(一日の決断力の量に限界があるとされている)て考えた際、それが足りない状態が「決断疲れ」。

これが「足りない」状態だと、意志ではなく習慣で動く状態となる。





◆「決断疲れ」という症状について

セールスとかに超弱くなる。自分のことを「気弱だ」と評価している人は、決断疲れが慢性化しているだけかもしれない。

また、多くの中から一つを選んだ場合、「満足感/達成感」が落ちる傾向があるとされている。選ばなかったものを選んでいたらどうだったか、などと選ばなかった数だけ選択肢を消してきたわけで、ようするに選んだ後で「迷いが生まれる」。

一応「気持ちの問題」とする説もある。決断力が「消耗するリソースである」と認識しているものにしか、決断疲れは発生しなかった、とのことだが。正直、気持ちの問題って言われてもな。その気になれないのが問題だからな。だったらロジカルに解決するしかあるまい。

-◆クオリティが落ちる

決断疲れになると、決断できなくなる、とも限らない。大抵は習慣に沿った思考・行動パターンを実行するようになり、端的に言えば「今まで」を繰り返すロボットのような感じになる。

結果的に「適切な対応」ではなく、やり慣れたことを行うため、イージーミスなどが多発する。これは感情もそうで、普段「使っている」感情がよく出るようになる

ようするに、あらゆる面で「雑」になっていく。適当な判断や、そもそも判断することを避けるなどが挙げられている。

後述するが、決断力は些細なことにも使っている。これが枯れれば、「些細なこと」がままならなくなるのも道理だろう。

-◆受け身になる

ここで言う「受け身」とは自制心無くリアクションをするような、そういったロボット状態のことである。

一般にイメージされるような自分からは何もやらずに言われたことを渋々やるようなのとは限らない。

端的に言えば、「誘惑」に弱くなる。出されただけ食う(反射的な反応)、特に目的もなくネットやテレビを見続けて気づいたら寝る時間が過ぎていた(行動を切り替えるエネルギーがない)、そんな感じ。

だるい、疲れた、めんどくさい、もうこんな時間か、が口癖の人は決断疲れを起こしているかもしれない。自分で決めたやることやってこの感想なら全くかまわないのだが。





◆「決断力」が消費されるタイミングについて

「選択」が決断力を消費させる。多くの選択肢がある中から一つを選ぶ場合の疲労感は覚えがあるだろう。

これは些細な選択、つまりどんな服を着るか、髪型はどうするか、何を食べるか、そんなことでも消費する。まぁ、「悩むことを楽しむ」というのもあるだろうが、消費していることは変わりない。

代表的な例だと、貧乏人は金持ちよりも買い物の時に「疲れる」という話があげられる。貧乏人は自分の全財産と商品の金額の対比が金持ちよりも大きい分、その商品の価値や値段相応なのかどうかを「気にして」、その後決断しなければならないからだ。

「スーパーへの外出が、各商品により多くの心的トレードオフを要することから、もし富裕層より貧困層の決断疲れをより早めるとすれば、レジに至るまでに貧困層はチョコバーとフルーツキャンディに抗う意志力をほとんど失っていることになります。

これらの商品は衝動買いと呼ばれるに違いありません[1]。」


Wikipediaより 


実際、どの店でもレジのあたりには「ついで買い」ができそうな小物が多いだろう。コンビニのレジの対面には、アメやガム、駄菓子が売ってるものだ。

言い方を変えれば、「悩んだ回数・時間に比例して決断力は消費される」。

そして世間は誘惑が多い。今のコンビニのレジの話もそうだし、企業は大金を払ってCMを流すし、周りの人間はあなたの時間「で」自分が楽しもうとするかもしれない。

こういった他者から投げかけられる「選択」から選んだり、自分のためにどうするべきか考えたとしても、それにも決断力が居る。

しつこい奴、強引な奴が嫌われるってのはまぁ、こういうことだね。しつこさに拠って決断力を「削ぎ落として」、決断疲れにさせてから思い通りにしようという「手段」だからだ。

断っても同じことを提案してくる、あるいは「なんで?なんで?」としつこい、いくら説明しても振り出しに戻ってまた同じことを提案してくる、などなど。邪悪だね。ムカついてきた。

他には「強引な奴」もそうだね。断るのに一々エネルギーがいるわけだから。つまり、時間泥棒ならぬ「決断力泥棒」もいるってこと。そりゃぁもうそこら中に。まぁ、連れ回されるのが好きとかいうのもいるんだけどさ。

要するに、なにやっても疲れます。なんか見ただけで疲れます。生きてるだけで疲れます。決断力は割りと枯れっぱなしがデフォのような気がしなくもない。なんか嫌になってきた。

重要なのは、「断る力」に決断力は必要だという点だ。決断疲れの状態だとセールスや誘惑にかなり弱くなる。さっきの例の「しつこい奴」ってのはまぁ、相当邪悪だな。関わったらその日一日がダメになるんじゃないか。





◆「決断力」の節約について

ウソかホントか一日の「決断」の総量は9000くらいだって話がある。決断力の最大値や回復力を気にする前に「節約」を考えることは有用だろう。

節約法を考える上での指針としては「悩まずに済むようにする」ことになる。それが無理なら「悩む時間を減らす」こと。

決断力の節約にあたっては、ある種の「ルーズさ」が求められてくる。「悩まないで決めれることは悩まない」のが理想だろう。言い方を変えれば、「どうでもいいならさっさと選べ」ってことになる。

-◆ルールを決める(選択肢をなくして自動化するor減らす)

例えば基準を決めてしまうのも手では有る。これはこうする、こうだったらやらない、と一定のルールを作り、それを守る限りは決断力が浪費されることは最小限に抑えられる。

これらは「些細なことに悩まない工夫」=「決断力の浪費を抑え節約する工夫」となる。

アップル社のスティーブ・ジョブズや元米国大統領のバラク・オバマ、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグらはこれを服装に適用した。

毎日同じ服装にすることにより悩む時間をなくし、時間と、決断力を確保した。その理由について、彼らは総じて「他に決断するべきことが有るから」とした。

ちょっと真似出来ないやり過ぎ具合としてはアインシュタインが挙げられる。服装は同じモデルのスーツ、靴下は履かないと決め、常に「あの髪型」。ハレの舞台でも髪型アレだったらしい。

ただ、対象は限定されなくてはならない。これは節約なのだから、「決断力が必要なこと」に対してルールを作るのではない。「どうでもいいこと」に対してルールを作り、悩む時間と回数を減らすために設定するものだ。

だから自分の心を観察することが幾らか求められる。根本的な話だが、「そもそも自分は何に決断力を浪費してるのか」がわかってなければしょうがない。この点において人間はほとんど自覚がないだろう。なにせ悩むのが自然体なのだから。

日常生活において、決断力が「漏れてる」タイミングを見つけたら、それは悩むべきものなのか、それともどうでもいいのかを考えよう。どうでもいいのなら、ルールを設定してそのタスクは「簡略化」する。

これはもう1つメリットが有り、決断疲れの状態でもクオリティを損なわずに実行することが出来る点だ。

要するに、「規則正しい生活」という耳が痛い言葉には、これだけの価値がある。人によっては「つまらない」と思うかもしれないが、そのつまらない分「面白いこと」に決断力を使えると考えれば、まぁ悪くはないのではないか。





-◆気楽に選べる選択肢を作る

些細なことを大きく捉え、悩んでしまう人もいる。その場合は「選びやすい選択肢」を自ら作ったほうがいい。
「とりあえずやってみる」だとか、「ちょっとだけやってみる」だとか「ちょっとだけ調べてみる」だとかも「やるべきかやらざるべきか」の大きな二択よりはマシではある。

悩みすぎる人は幾らか見てきたが、問題を「大きな二極化」にする傾向が強い。できるかできないか、やるかやらないか、許すか許さないか、許されるか許されないか。

「試してみよう」とか「やってみよう」とか「これってどうでもよくないか」という選択肢が彼/彼女たちには浮かばないようにみえる。ほとんどすべてが「決めねばならぬ」、「やらねばならぬ」問題に見えているのかもしれない。

決断力の節約において、選択肢は極力増やすべきではないが、どっちも選べないほどに「大きい」と感じるのなら、軽い妥協案な選択肢を作る必要はあるだろう。

実際に大きな問題の際も、とりあえず手を付けてみるというのが解決になることはある。進めばわかってくることもあるし、何より一歩は進むのだから。

「決断」しない限り、つまり(逃げるという決断も出来ず)問題が全く進捗しない限りは「悩み続ける」のだから。どっちも選びたくないほど極端なら、その苦悩の中で、決断力は「出血」し続ける。選択肢そのものが(自分で考えたのだとしても)不条理な可能性は疑ったほうがいい。

-◆先に使ってしまう

逆転の発想、というほどでもないが。「大事な仕事は午前中にやれ」という話を聞いたことはないだろうか。

「一日の量」が決まっているだけであり、別に人生の決断力の総量が限られているわけではないだろう。だったら、予測できる「決断力が必要そうなこと」に使ってしまえばいい。

午後に大事な用事が出来たらどうするんだ、と聞かれそうだが、こう答えよう。「午後の状態っていままでと変わらない状態ってことじゃん?」。何より気にするべきは普段の「垂れ流し」だ。

実際の所、朝に重大な仕事を終わらせれば達成感やら充実感やら開放感も得られるし、決断力とは別のやる気が湧いてくるわけで、試してみる価値はある。

もう1つ、重要なタスクを最優先でこなすことで「それほど重要じゃない/そもそもやらなくてもいいタスク」などが「決断力がない時間」に押し出される形になる。

午後の「決断枯れ」でも特に問題なく終わるのならば、それは元から決断力がその程度で済むタスクだったと発見できたということだ。少なくとも、決断力が足りないと悩まされることは減るだろう。





◆「決断力」の回復について

さて無駄に浪費され、あるいは意図的に消費された決断力はどのようにすれば回復するのか。
調べたけど、ないね! 一切ないね。節約に専念したほうが時間を有効に使えるだろう。

ここからは考察になるが、「一日の量が決まってる」点から脳内物質のようなものだと思われる。で、それっぽいのがセロトニン。精神の安定や意欲も司る。

他の攻撃性がある脳内物質を抑える役割もある、セロトニンが十分なら感情的にならず、理性的に振る舞えるともある。つまり理性的に。決断力だよねこれ。

また、セロトニンと言えばこれが不足することに依る「うつ病」が連想されるが、その症状であるやる気がない、興味がない、ネガティブになると言った消極的な要素は、「決断疲れ」と似ていると言えば似ている。

うつ病の治療や予防としても推奨されているのが日光を浴びろ、運動をしろ、規則正しく夜に寝ろだが、これも全部セロトニンを出す方法みたいな感じで紹介されている事が多い。

視点を変えて、「うつ病になる理由」を考えてみれば、まぁ大きな悩みや不安やトラウマが続くだとか、「しつこい奴」に粘着されているだとか、自分を偽って周りに合わせることに疲れ果てただとか、精神的、あるいは環境的に「決断疲れ」を引き起こしそうなものだ、と言えなくもない。

まぁ、辻褄が合うどころかこじつけることが出来る程度の話だが、やっぱこれセロトニンじゃないかと現段階では思う。探せば他にもそれっぽいものあるかもしれないけれどね。

セロトニンは夜にメラトニン、つまり睡眠誘導物質に変わる。どちらにせよ規則正しい生活を送ったほうがいいだろう。むしろそれがしんどいって人もいそうだけど。

私としては、規則正しい(つまりパターン化された)生活を軸として「決断のルール・自動化」に拠って決断力を節約しつつ、重要なことは朝にやり、飯食って寝ればいいやということで落ち着いたからもういいや。

強調しておくが、規則正しい生活=つまらなさは、決断力の節約になる。その分「自分らしさ」にそれを使えば、悪い話ではないと思う。

また、「できない」、「やれない」と悩んでいる問題も、決断疲れの視点から見てみれば、単純に「疲れているから」なだけの可能性も出て来る。一度しっかり食って早めに寝てみるのもいいのではないか。

肉や魚や乳製品に含まれるトリプトファンが身体でセロトニンになるんだとか。ひまわりの種にも多いらしいが、外国じゃ結構食べる所もあるみたいだが、日本では食べる習慣はないね。ハムスターは幸せってことか。

ちなみに、ストア派の哲学者セネカは閑暇の時(一人でいる時間)が精神の不安や苦悩、疲労を癒やす、みたいなことを言っていた。頭じゃなくって心が疲れているなら、精神の休養も必要だろう。





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