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ニセ情報で一億円以上稼ぐ:兜町の風雲児に強制捜査




ニセ情報で一億円以上稼ぐ:兜町の風雲児に強制捜査


とある仕手集団が株価を操作するつもりで、株情報サイトに嘘の情報を書き込んだ。

これに対し風説の流布の疑いがあるとして証券取引等監視委員会が強制捜査に入った。

この仕手集団は「般若の会」というグループ。この偽情報を流したことによって1億数千万円の利益があったという。

ニセ情報の内容は「新日本理化の株価がこれから上がる」というもの。



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目次:
元代表とは?

株の基本的な仕組み

仕手集団の手口

仕手は違法か?それとも戦略か?

株価はどうやって動くのか?

情報一つで人は動く

おまけ:ネットで見つけた気になる意見

感想




元代表とは?


被疑者だからか名前はまだ伏せられて報道されている。

【般若の会】で調べると以下のサイトを発見。

六識やら阿頼耶識やら仏教なことが書いてある。般若だからか。

株と仏教の話を絡めてコラムを書いているようだ。

ここの代表者が「加藤 暠」となっている。

その名前でさらに調べると以下のサイトを発見。

まぁウィキペディアだけど。

かなりの大物のようだ。株式研究会として【泰山】という集団を立ち上げている。たいざんね。

泰山は中国道教の総本山がある山の名前。泰山信仰とか。天仙娘々とか。

ユネスコの世界遺産に登録されているそうな。閑話休題。

wikiには【兜町の風雲児】と呼ばれていた相場師だとはっきり書かれている。二つ名まで同じなんて確率は低いだろうし、同一人物だと見ていいのだろうか。

wikiに乗っている方の加藤あきらは仕手としてかなりの実力者のようで、389円だった株が15ヶ月後に5310円になったとか、そんな話がある。


株の基本的な仕組み

 
何がどうなってニセ情報一つで一億円以上の利益を上げることが出来るのか?

株は御存知の通り、毎日値段が上下するものだ。買うときも売るときも、証券会社を通して注文をするのが普通。この注文の種類は二つあり、指値注文、成行注文という。

①指値注文

指値(さしね)注文は字の通り、値段を指定する。買うときは「この値段になったら買っておいて」売るときは「この値段になったら売っておいて」と言った感じで。

言い方を変えればお目当ての株が自分の狙った価格になるのを「待ち構える」注文方法。値段重視だね。

②成行注文

成行(なりゆき)注文は言葉通り成り行きまかせ。「いくらでもいいから今すぐ買って(売って)」という注文の仕方。タイミング重視の売り買い方法だと言える。

極端な話、莫大な資金が有れば株価を自由に乱高下できる(ストップ高、ストップ安と言って一日の限度はある)。

しかし、大量の人間が、そして銀行や企業が、大量の資金を持って参入している株式市場ではそれだけの金額を用意するのは無理がある。

では自由にする方法は?「他の投資家を騙して大量に買わせよう」そう考え、実行する人間達がいる。この行為が株でいうところの仕手であり、これを行う集団が仕手集団である。


仕手集団の手口


①まずは最後に売って利益を得るために、株を買い集める。前述のとおり派手に成行注文すると価格が上がり、他の投資家が「この会社は景気がいいのか?」と注目が集まってしまう。なので値段が上がり過ぎないように長期間をかけて買い集める。

②充分に株を集めたら、今度は株価を吊り上げることを狙う。情報屋に情報を流す、掲示板でニセ情報を流す、自分で一気に成行注文して実際に値段を釣り上げてみせる、などのアウト気味な手段も。

③他の投資家たちも動き出し、株価が更に上る。タイミングを見て、仕手集団は初めに確保しておいた大量の株を売り払う。


仕手は違法か?それとも戦略か?


現状、やり方しだいでは問題無いとされているようだ。株や為替事態が「自己責任」の世界であることも原因の一つだろう。

今回は金融商品取引法違反(風説の流布)容疑。これは有価証券・金融商品の価格変動を目的として風説の流布をしてはならないというもの。

【ウソ】でなくとも【根拠の無い情報】というだけでアウトの厳しい法律だ。

今回の強制捜査の理由は株式情報サイトにニセ情報を書き込んだから、という点なのも納得がいく。

ちなみに罰則は10年以下の懲役、または1000万円以下の罰金とのこと。

初心者の個人投資家が増えてきた現代、為替やFXと言った【玄人が自己責任でやる世界】の法整備が進んでいくのかもしれない。










株価はどうやって動くのか?


例えば株価が1000円の物があるとする。Aさんが1200円で指値売りを注文していて、Bさんが1000円で指値買いを指定していたとしよう。

この場合、売買は成立しない。値段が噛み合っていないから。株価は1000円のままで、ほっとくとずっとこのまま。

ではBさんが、
「この株はそろそろ値上がりするはず、1500円くらいにはなるだろう、今すぐ手に入れたい」
と思っていたらどうだろう。

Bさんは1000円で買うのを諦め、成行での買い注文を指定する。そして株価は1200円に上がる。

Aさんが仕手集団で、Bさんがニセ情報を見た個人投資家だとすると、わかりやすいだろうか?

般若の会はニセ情報を流すことで値段を釣り上げ、すでに自分たちは持っていたその株を値上がりした時に売った。この差額が一億円を超えたということになる。

信じる人が大量にいた結果、株価が上がるというウソがホントになった。


情報一つで人は動く


東日本大震災の直後、日本中の店が乾電池とライトが品切れになったことを覚えている人もいるだろう。

歴史を遡ればオイルショックの時にトイレットペーパーの買い占めがあったというのも小学校で習ったね。

【緊急性のある重要な情報】に人は弱い。コマーシャルとかで「いまだけ!」「期間限定!」とか多いのもそういう理由。



おまけ:ネットで見つけた気になる意見


・格付会社全部アウトじゃねーか

格付け会社ねー。まぁやたら国債ランク上げ下げしてアメリカに怒られた格付け会社はあったね。リーマン・ショックのちょっと後ぐらいのタイミングで。

・マスコミ全部アウトじゃねーか

マスコミは価格操作目的じゃないから、スクープとかで結果的に株価が上下しても金融商品取引法違反とはならないんじゃないか。裏で金握らされてるとかなら話別だけど。ステマみたいな。


感想

格付け会社の嘘くさい格付け変動もそうだけど、仕手筋情報と言って、【ウソがホントになる】というのを踏まえて株や為替を売買する人達もいる。

今までその道で生きてきた大物に、ニセ情報だけで強制捜査というのもちょっと疑問が。よほど酷い嘘の吐き方だったのか、見せしめのためか、それとも裏に何かあるのか。



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