自分で考えるのはまだ早い?
例えば職場。新人が質問すると「そのくらい自分で考えろ」と返されたりする。
左様でございますかと自分で考えて行動すると「勝手なことをするな」と怒られる。
とても理不尽だと感じるだろう。ならどうすればいいのだろうか。
◆なぜ考えたのに駄目なのか
・何がいけなかったのかといえば、結論から言うとゼロから考えているから。必要な考えが100だとして、ゼロから50まで自分で考えても足りないわけだ。だが厄介なことに確かにそこまでは考えたわけで、結果的に「ここまで考えたのだから大丈夫だ」と自信満々で取り掛かり、大失敗につながりやすい。
・また、ゼロから考える弊害としてなんらかの見落としが発生する可能性がある。これは致命的なミス、または目的とかけ離れた結論に至る可能性がある。
・そして大抵は仕事が遅いことよりもミスを取り返すほうが手間がかかる。場合によっては取り返せないこともある。先輩/上司はそれを防ごうと叱るしか無い=勝手なことをするなと怒られる。
・最終的には自分で判断できるようになるべきだが、そのためには自分で考えることよりも先に、職場のルールや自分に任された仕事の意味などを把握する必要がある。
・教育係が理不尽なだけなケースも多々あるけれど今回割愛。
◆【どこから】考えるか
・事実として大成功を収めたものは大抵読書家/勉強家だ。チェスのプロは過去の対戦記録の研究を熱心に行う、という話もある。
・読書は新しい情報や考えを期待してするものだ。
・棋譜の研究は先達たちの思考を理解しようとする試みだ。
つまり、「考えるよりも先に、今知ることができる、調べることができる情報の理解が大切だ」ということになるのではないか。
・理解なので、当然意味もわからぬままの丸暗記では足りない。応用が効かなくなるので毎回調べることになってしまう。反対に応用が出来るようならそれについて理解したと捉えて構わないだろう。
・例えば【無意識】という概念は100年程前、フロイトが初めて体系化したと言われている。個人が無意識について考える時、ゼロから始めたのだとしたら現代レベルの知識を得るために100年かかるということになるし、途中で間違えて変な結論になるかもしれない。効率が悪いってレベルじゃない。非現実的だ。
・だがフロイトやユング、アドラー、そして最近の心理学や大脳生理学などを知っていたらどうだろう。
少なくとも思考のスタート地点は100年前ではなく、現代になる。
◆情報は積み木
・思考の目標は結論を出すことだが、これを積み木でオブジェを作ることに例えてみる。
・ゼロから考えるということは、積み木そのものを作ることから始めるようなものだ。
- 面は平らだろうか?
- 上に更に積み上げても崩れたりしないだろうか?
- 他のブロックと形や大きさは揃っているか?
- そもそも自分はしっかりと積み木を作れる(情報を理解・整理できる)のか?
こんなことから気にしなきゃいけない。
・予備知識/事前情報があるということは、目指すオブジェを作る分には足りている(或いはそうだと思える)だけの量と形の積み木があるということだ。
・どちらが綺麗で、早く、しっかりと作れるかはわかりきっているだろう。
◆ゼロから考えるのは非現実的
・ゼロから考えるのは手間も時間もかかり、なおかつそれで得られる結論が使えるレベルかどうかは怪しい。
・既に解析されているところ/整理されている情報までは調べてから考えれば、スタート地点が大分有利になれる。
・結論としては、「自分で考える前に予習をすること」。
◆関連リンク
カテゴリ:
思考・意識
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