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日本の『恥の文化』と言う価値観

日本の『恥の文化』と言う価値観


10/10 加筆 『◆名誉の殺人』を追加

『日本は恥の文化だから』との声を時々見かける。だから匿名で言いたい放題言えるネット弁慶が多いのだとか。

内向的で、そのくせプライドは結構高い我々日本人の根底にある『恥の文化』とはなんだろうか。


◆恥の文化とは




残念ながらあなたが期待しているであろう『礼節を重んじ、恥を知り、誇り高い』といった、武士道のような意味では全く無い。

米国の文化人類学者ルース・ベネディクト著の『菊と刀』に記された概念。日本文化の説明、とされているのだが・・・。
  • 西洋では『神様が見ている』として悪いことをせず、良くあろうとする。(罪の文化)
  • 日本では『バレなきゃ問題ない』とするが、バレた時には死ぬことも厭わない。(恥の文化)
はい、見ての通り日本を噛ませ犬にしての西洋持ち上げ。
不愉快極まりないが、恥の文化そのものは的を射た指摘だ。

学校のイジメや職場イジメなんてそれこそ『バレなきゃ良い』だし。学校なんて教師も隠蔽する例が沢山ある。時には意図的に他人に恥をかかせ、攻撃或いはコントロールしようとする者もいる。


◆対人恐怖症の原因?


 日本人の文化依存症候群である『対人恐怖症』の原因でもあるとされる。前述のとおり『バレたら終わり』的価値観を持っているから弱みや失敗を握られることを極端に恐れる。多くが自覚しているだろうが、我々は外国人と比べてあんまり度胸がない。

また、これらと対になるように、言いふらす、探りだすなどの手段を使い有利に立とうとする言わば『脅迫者』が必ず沸いて出てくる。

これら天敵の存在もまた、対人恐怖症に拍車をかける。





 





◆恥をかいたら生きていけなかった?



日本人は農耕民族にカテゴライズされる。米を作って畑を耕して生きてきた。そのためには当然土地が必要なわけだ。気軽に引っ越すことは昔はできなかっただろう。
人間関係のリセット、距離感の確保が生活の問題で難しい上に、前述の『天敵』も存在する。この状況から
  • 『最初から問題を起こさない』
  • 『目をつけられないように周囲に溶けこむ』
という結論に行き着いたのではないか。

恥をかき、悪目立ちすることは社会や所属する集団での孤立を意味する。素手の人間は中型犬に負けるレベルで弱い。つまりは集団から追放されたら野生の世界だったら死ぬ。

食料の調達方法が農耕スキルしかないなら尚更だろう。種を蒔いて、いつ食えるようになるのか。つまりその場にいられない=餓死だ。

そう、日本人は恥をかくことは死に繋がる可能性があると感じる。これは思考ではなく、本能レベルで。居心地の悪さどころじゃなく『危機感』を感じる。だから大抵、恥をかくと人は慌てる。

◆名誉の殺人


・同じように【恥】がテーマの、もっとエスカレートしたような異国の価値観を私は知っている。

・関心があるなら『名誉の殺人』と言う言葉の意味を調べてみると良い。異国の『文化・風習』だ。ただし、今日安眠したいならやめておいたほうが良いと忠告しておくが。

・日本においては怪談か何かで似たような話を聞いた記憶がある。最も、怪談として成立するくらいにはレアケース、なのだろうか?

・いずれにせよ、日本はこうはなるまい。だがその理由は感覚の違いというだけだ。日本はもっと【バレないように】迫害するだろう。

・何よりも、『被害者が』恥だと思い込み、死ぬまで我慢し続ける。これはそこら中に溢れている話だ。私はこれが気に食わない。

・まぁ問題のない国なんて無いだろう。観光客から見たら理想郷でも、その土地に住んでいる人間からしたら生き地獄かも知ない。

◆現代でも続く恥の文化



・今では食料に困るということは(品質を問わなければ)あまりないだろう。だがこの気質は消えていない。休日に1人で居れば馬鹿にされるし、1人で昼食を取っていればまず笑われるだろう。まるで『そうでなければいけない』かのように。

・学校で目をつけられないように、職場で目をつけられないように、大抵の人は無難に溶け込んでいる。群れからはじき出されないか怯えながら。集団の一員のふりをして。誰もがそうやって自分のことで必死だから、そのうち誰かが裏切るかもしれないわけだ。対人恐怖症は必然かも知れない。


・一方、これが暴走して過度な自己責任論になりやすい。『問題を起こしたのならもう失格だ』と言わんばかりに。
ISISの起こした邦人人質事件の際に多く見られた自己責任論は、それまで『日本人は礼儀正しく優しくて親切だ』というイメージを持っていた一部の外国人に戸惑われたと言う。

◆アリとキリギリス


イソップ寓話でアリとキリギリスと言う話がある。まぁ、知らない人はいないだろう。大抵の人はキリギリスにいい印象を受けない。『遊んでいただけなのになんとかなった』というのが気に食わないようだ。

原作ではキリギリスは餓死している。寝覚めが悪いオチだからと今の形に改変されるのが常となったようだ。
Wikipediaによると、この話の寓意として2つのことが言われている。
  1. 将来を見据えて備えないとそのうち大変なことになる
  2. 夏場にせせこましく貯めこむような連中は、餓死寸前の者が目の前にいても見捨てる
1は我々にとって『常識』のレベルの話だ。そして2は『脱落したものは見捨てる』日本人の気質そのものじゃないだろうか。

◆そろそろ別の価値観が必用なのではないか



良いか悪いかは簡単には決められない。少なくともこの国の社会生活においてかなり深く根ざしており、逆らうのは危険だからだ。多分逆らったらさんざん嫌がらせされる。

だが、例えばISISの時に海外がドン引きしたように、『恥の文化』に疑問を持つことが出来る価値観も存在するわけだ。

別のものに乗り換えると言うのは駄目としても、『別のもっとまともな価値観』というものをそろそろ考えていったほうが良いのではないだろうか。

  • ちなみに日本では『人に迷惑をかけちゃいけません』と教える。
  • インドでは『お前は人に迷惑をかけて生きているのだから、人のことも許して上げなさい』と教えるそうだ。
多くの者が抱える漠然とした『後が無い』という追い詰められた感覚は、恥の文化から来ているのかもしれない。

・なんというか、個人的に思ったんだが、『冬を越せるだけの食料を貯めたキリギリス』が一番充実していて、幸福なんじゃないだろうか。

・で、日本だとそうやって自力で食料貯めこんでようやく自由だって感じでキリギリスやってるのに、それを見たアリが『キリギリスだ!死ね!』と言うんだ。なんだかなぁ。

・まぁ多分日本だけじゃないんだけどね。『恥の文化』なんていう言葉である意味【実体】ができた分、攻略の余地もあるかもしれない。【自覚】出来るようになったんだから。そういった点ではこの国は幸せかもしれないね。







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