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潔癖症は病気なのか

潔癖症は病気なのか




◆潔癖症・不潔恐怖症と呼ばれる症状

「潔癖症」の意味としては2つある。1つは不正などを許さないと言った性格的な表現として。こちらは完璧主義に近い。



もう1つは不潔なものに耐えられないといったもの。潔癖症という言葉は、一般にはこういった「度が過ぎた綺麗好き」的な表現として使われる。










◆綺麗好きとの違い

綺麗好きとの違いは、簡単にいえば一般には気にされないレベルの「不潔」に対して「おとなしくしていられるかどうか」。



特に他人の管轄のような対象、或いは共有物に対してスルーできるかどうか。これが我慢しなきゃ出来ないというのなら、ちょっと潔癖症かもしれない。



また、汚れの対象が現実か、脳内設定かで決定的に決まる。
もう汚れはないのに「まだ汚れている気がする」とか思って洗うようだと潔癖症だろう、とは言われているんだが。



これはこれで状況に依ると思う。極端な話、あなたの箸を使ってトイレのしつこい汚れをこそぎ落としました、として、二時間かけて煮沸した上でアルコール消毒したところで、またその箸使いたいと思うだろうか。いやだろう。物理的に綺麗だったとしても、買い換えるよね。



だから明確な基準なんて無い。この上で大抵の場合通用するのは「一般的には気にされていないものが気になる」上で、上記の箸の例のような心境になること。



要するに、一般的には気にしないものが対象で、汚いと思ったところで「我慢できる」なら問題なく、「絶対無理」なら潔癖症かもしれない。



◆潔癖症<不潔恐怖症

潔癖症の発展として「不潔恐怖症」がある。こちらは病気。強迫性神経症の一種とされている。「ノイローゼ」と呼ばれるもの。



◆潔癖症チェック


袋の外側に置いている、ドーナツのカス、袋の破り方が雑、食べかけであること、これらが真っ先に目についた場合潔癖症気味。



そうだった場合、気づいてほしいのが、「真っ先にそういった点を探す」という目の動きを自分がしたことだ。無意識に。腹減ったとかドーナツ食いたいとかポンデリングの方がいいだとかミスド行きたいとか思う前に。



言い方を変えれば「不潔といえる点を“探した”」。自分から。そういう物の見方、そういうものを探すという考えと習性が当人にあるということ。人間、何かしらのそういった「スタート地点」を決めている。



別に、これだけじゃ問題じゃないだろう。実際にまぁ、そのとおりなのだから。
初手でどんな見方をするのかだって個性といえば収まる範疇と言える。



問題はその「強度」とその後。「じゃあ、どうするか」。
要するに、上記の点が「ちょっと気になる」程度なら綺麗好きだとかキッチリしてるだとかで済む。



「許せない」と思ったり、「だらしがない、こんなことしてはならない」と思ったり、つまり「居ても立ってもいられない気分になるのなら」まぁ、やばい。



これでもまだ社会的にはセーフだろう。「思っただけだから」。



つまりそんな許せない、あり得ない、あってはならないと言った強迫観念(やらずにはいられない衝動性を伴ったイメージ)を元になんらかの「行動に移してしまうのなら」、まぁ病気だねと。



逆を言えば抑えられてる限りは個人の価値観で済む話だが、ギリギリで抑えてるような状況だと苦しいだろう。









◆潔癖症の特徴

有名所の潔癖症の特徴としては以下



・札や小銭などの「カネ」に触れない。不特定多数の人間が触ったことが確実だから。同様にスイッチなども触りたくない。



・アルコール消毒とか除菌グッズは手放さない。



・入浴やトイレが異常に長い。



・吊革、ドアノブなどに触れない。便座にも直接は座れない。



・第三者が作った食べ物、特におにぎりやサンドイッチなどは食べれない。



・なんかすごいのだとくしゃみしそうなやつの鼻と口塞いで(飛沫が飛び散ることを防いだらしい)その後で速攻手を洗いに行ったとかあるらしいが。



・手から血が出たりボロボロになるくらい頻繁に手を洗う。



当人の頭の中にそれは不潔だという強いイメージが発生し、現実には綺麗サッパリ洗ったところでそのイメージはなくならないのでしつこく手を洗ったり嫌ったり避けたりする、とされている。



結構ポイントだね。対象が「現実じゃなくて頭の中の不潔のイメージ」。
この上でその不潔さは、当人の頭の中である意味「自家発電」されてるものであり、なくならない。



◆潔癖症は病気か否か

度を越せば不潔恐怖症(強迫性障害)。また、多くの潔癖症の人間の特徴として共通の性格パターンがあるようだ。



Wikipediaによれば特徴は以下、

  • 適応能力が低い
  • 頑固
  • 完璧主義者
  • 優柔不断(完璧を求めるのでどうでもいいことでも決められない)
  • 発達障害がある


などが挙げられている。適応能力低いってのは、裏を返せば「なんとかするには他人を動かすしか無い」ってことだ。本人には出来ないんだから。やたらとケチつけてくるようなら危険かもね。



また、第一度親族(両親、兄弟姉妹、子供)が潔癖症だった場合、発症率がそれ以外と比べて10倍高いとする話もある。遺伝+生活環境が原因との話。

◆清潔と不潔の境界線

この話の厄介なところは「清潔不潔」の基準が元から曖昧だという点だ。人によって違う。
反対方向に触れ切れててゴミ溜めのような部屋で全く平気でくつろげる人間もいるわけだ。



また、業界に拠っても違う。確か病院とかでの「清潔」は煮沸消毒とかアルコール消毒をしているという意味であり、それ以外は清潔じゃないという扱いだったはずだ。



こういった「元から基準が曖昧、状況によって違う上に二元論」、要するに「程度の問題」だとか「その場に合わせる」必要がある問題だと明らかに異常なレベルの人間相手でも説得・論破がしにくくなる。




自分を潔癖症だと認めない人間に、そうだと認識させるのは骨が折れると思われる。
前述の性格的特徴として頑固、完璧主義、適応能力が低いというのがあったが、言い方を変えれば「思い込みが激しい上に自分の思い通りにしようとしてゴリ押ししてくる」という傾向が強いということだ。まぁ、素直に認める性格とは遠いように見える。



ようするに、当人に自覚がない場合、多分相手は「お前らが不潔なんだよ」の一点張りだろうねと。また、はっきり白黒つかないのでものすごくこじれる事がある。潔癖症が原因で刃傷沙汰になったところで私は驚かないね。









◆人を傷つける、人に嫌われる

さて、重度の潔癖症は不潔恐怖症という心の病気であり、そんな病気である人は「かわいそうな人」、だと思うかもしれないが、現実には実害があったり、人を傷つけたりして嫌われることのほうが多い。



極端な話、他人の吐瀉物や排泄物が手にでもついたら悲鳴を上げて洗いに行くだろう。細部は違えど、似たような反応は状況次第では誰だってするものと思われる。潔癖症はこんな反応をするべきラインが他よりも低いわけだが、裏を返せばそこら辺に普通にあるものや他人を吐瀉物や排泄物扱いしてるのと同じなわけで、まぁ周りの人間は不快だろう。



この上で「なんとかしようとして」、脅迫や暴力に準ずる手段を使う者もいるし、不当なルールを作って周囲に「強制」するケースも有る。



また、「清潔」の基準がガバガバなことが多い。
よく聞く声が



「人を汚物扱いしやがるくせに自分が汚したものには無頓着」



「潔癖症の奴の部屋が汚い」



「自分は清潔、他人は汚いという態度」



etc。誤解の無いよう言っておくが、基本的に潔癖症そのものが嫌われているのではなく、それを動機とした「態度が悪い」ということのようだ。結局の所はその人次第ではある。




ちなみに重度の潔癖症は部屋が汚いどころか汚部屋、ゴミ屋敷の場合のほうが多いらしい。汚れに触りたくないから「掃除ができない」んだそうな。



調べてみればわかるだろうが、態度に出さなければ構わないだとか、性格良ければそれでいいだとか、そんな許容する意見も多い。



ただし潔癖症を超えて不潔恐怖症になるとそんなに大人しくはしていられないだろうね。


実際の所、「嫌われている潔癖症」としては、言ってることややってることがパワハラモラハラなどに非常に近い。周囲の者からしたら嫌がらせやイジメ、攻撃以外の何物でもない状態になっている。まぁ人を汚物扱いしたら侮辱以外の何物でもないだろう。



そうじゃなくても思ったことそのまま言動に出した場合、大抵失礼になるわけだが。悪気はないから悪くない、と開き直る手遅れもいるんだが、他人から見たら頭の中なんていくらでも嘘はつけて、確定してるのは「どんな言動をする奴か」という部分だ。



実際の言動が有害なら心の底から嫌うだろう。悪意のあるなしは判断基準じゃない。殆どの場合に言えるが、わかりやすく悪意を持った悪人は少ない。無神経なりデリカシーが無いなり自分のことしか頭にないだけの「悪気がない悪人」のほうが多い。



さて、やったらやり返されるわけで、潔癖症に対してボロっクソに書き綴ってる所もあった。



その筆者が意識している「対象」は自業自得だろうから本気でどうなっても知ったこっちゃないが、ただ、綺麗好き、潔癖症、不潔恐怖症で区分しないとえらく広範囲に冤罪や偏見をばらまくことになるんじゃないかなーとは思ってる。



まぁ、簡単に軽い潔癖症だとか重度の潔癖症だとかそんな言葉ででも区別したい所。


◆対人恐怖症の可能性

さっきも言ったが、どうもネット上の潔癖症にうんざりしている人の声を見てきた限り、重度の潔癖症の人間は「他人が触ったら不潔、自分が触るのはOK」というルールの場合が多いようだ。



実際の菌だとかバクテリアだとかそういう話じゃなく、「他人」が触るとアウト。



潔癖症の症状が強いほどこの「他人」という概念に対しての警戒感が異常に強いケースが多いようにみえる。



で、面白いことにこの「清潔/不潔」の二元論以外でも「他人に異常に警戒する」異常はある。
音嫌悪症。聴覚的なもので、「他人が立てた物音だけはどんなに小さな音でも、どんなに遠くでも聞こえる。気になってしょうがない」というものだ。



まぁクチャラーとかやたら舌打ちするやつとか普通に不快な音立てまくるのもいるんだが。こちらはこちらでどこからどこまで不問とするのか基準が曖昧。音の大きさなら基準は法的にあるが、ここでは「内容・意味」だからね。



音嫌悪症の原因としてトラウマ、精神的なストレスがある。本人に心当たりがなく、きっかけもなく発症するケースも。ただ、フラッシュバックやトラウマは当人にとって昔過ぎたり強すぎたりする場合、本気で全く思い出せない上に症状だけはあることもあるので何とも言えない。



この2つは「他人を警戒する」という点で共通している。類似点も多い。同じものの違う形なのではないだろうか。



重度の潔癖症の場合、自分や他人に対する敵意や嫌悪感がある可能性がある、とは言われている。この場合、本来不潔かどうかは関係なく、潔癖症という症状はただの代償行為、あるいは投影ということになる。








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