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何故それに夢中になり、エスカレートしていくのか:報酬系

何故それに夢中になり、エスカレートしていくのか:報酬系

最終更新:2017/05/01

なぜ人は何かに夢中になるのか。時には道徳的、法的に明らかに逸脱していたとしても。

そしてなぜそれはエスカレートしていくのか。時には自他共に破滅する程までに。


報酬系(ほうしゅうけい、英: reward system)とは、ヒト・動物の脳において、欲求が満たされたとき、あるいは満たされることが分かったときに活性化し、その個体に快の感覚を与える神経系のことである。

ここでいう欲求には、喉の渇き・食欲・体温調整欲求といった生物学的で短期的なものから、他者に誉められること・愛されること・子供の養育など、より高次で社会的・長期的なものまで含まれる。認知心理学者は、ヒトにおいてはむしろ後者の欲求の方が、行動の決定に重要な役割を果たしていると主張している。

つまりは予想や妄想に対しても作用する、達成感や充実感など。人間の場合はドーパミン神経系、またはエンドルフィンが報酬系として作用するとされている。

特に上記引用にもある通り、人間同士の言外のものを含むやり取り(ストローク)に対しての中毒は多く見られる。
自称「普通の人間」の時点で既に中毒者の傾向はある。例としては交流分析における「ゲーム」が挙げられる。

・報酬系は強化学習に於いて重要な要素を占める。自分の行動に対しての「それは”良いものだ”」というシグナルの役割を果たす。

その上で「快楽」である限り、またもう一度、となりやすい。
つまり「何に対して報酬系が働いたか」というのはそのまま「自分がどのような癖/悪癖を持つか」に直結する。

人間の行動は意識的な決定よりも習慣的な反応/反射であることが多い。
例えば轢き逃げのような、重大なタイミングで理性的でない行動を取るのは「今までそれでなんとかなってきたから」だと思っているからだ。
(ピンチを切り抜けた時にももちろん報酬系は作用する。どんな卑怯な手だろうと)

こういったある意味「馬鹿の一点張り」のような反応が重要な判断を要する際に出ないようにもしなければならない。

・これは麻薬中毒やアルコール中毒、ニコチン中毒、性犯罪者などの分かりやすい例に限らず、糖分に対してでも、他人からの賞賛に対してでも、或いはサディズムやマゾヒズムに対しても作用しうる。

対象がどれだけ異質な物でも、イリーガルな物でも、それに対して報酬系が働くならば、その者は(自制心や治療などの何らかの手を打たない限りは)本能的にそれを好んで繰り返す。

なぜ人はエスカレートするのか?

・アメリカあたりの一昔前の連続殺人犯について調べれば自ずと分かるだろうが、「殺人中毒」という症状は実在する。
犯人の多くは犯行の瞬間には充実感、或いは生きている実感を感じたと語っている。
或いはもっと具体的に「性的な興奮を感じた」と供述しているものもいる。

これは、有り得ないものに対して報酬系が働くようになった例だ。
そしてその行為が非現実的、非社会的であればあるほど他で満たす方法は減る。
そして彼らは思ったのだろう。「もう一度あの感覚を」と。

・これはもう一つの疑問である「なぜエスカレートする傾向にあるのか」の問いにたどり着くためのヒントにもなる。

快感を知った者には前述の通り「もう一度味わいたい」と言う欲求がある。
だが、人は物事に慣れる様にできている。

同じことをやっても報酬系の作用は弱くなっていく。

もう一度同じだけの快感を得るためには、前回以上のことをやる必要が出てくる。

こうして報酬系が作用する行為はエスカレートする。

或いは、既に「出涸らし」となったかつて報酬系が得られていた行為を、かつての感動を求めて無為に繰り返す。

実際、シリアルキラーは犯行を繰り返すほどに、期間は短く「雑」になっていく傾向が強い。

以上のことから、報酬系が働く内容次第では誰にでも真性のキチガイか犯罪者になる可能性があることが判る。
そこまでいかなくとも交流分析での「ゲーム」の例のような「問題児」になりかねない。
そしてそれを防ぐためには「何に対して報酬系が作動するか」を監視/修正する必要がある。

例えば自分が好きな事、夢中になっていること、そして頻繁に繰り返している事。
既に中毒になりかけている場合、行動しようと言う衝動すら感じずにむしろ「そうするのが自然」だと認識している可能性もある。
「こうしないと落ち着かない」「気付いたらやっていた」ということも在り得る。
これらに気付き、判別する必要はある。

問われるのは夢中になっているものの「内容」とその頻度だ。
内容が無難で、頻度も弁えている限りは「お楽しみ」に罪はない。

逆を言えば好ましい事に対して報酬系が働くように誘導できれば、いくらでもそれに打ち込める様になる。
つまり報酬系自体は善でも悪でもない。


なんてことはない、「脳の自動学習機能」が生物には備わっていて、その自覚が無いことが多くの悩みや問題の原因となっているという話だ。

報酬系をコントロールする

報酬系は利用価値がある。
意図的に「何に対して働くか」をコントロールできるのなら、あなたの進みたい方向へ、人生の追い風となるだろう。
勉学や仕事に報酬系が働くのならば、少なくとも「やる気がでない」ということは有り得なくなる。
ワーカホリックには注意するべきだが。

また、古来より「如何にして他人に言うことを聞かせるか」は考察されてきた。
或いは経験則として語り継がれている。
これは政治や宗教といったものにかぎらず、躾や教育といった身近な事柄にも言える話だ。

一例を挙げると子育てにおける「褒めて伸ばす」と言う概念。
これはその行動により褒められる=他者承認欲求を満たすこが出来ると学習することで行動が「強化」される。
つまりは頻繁に好んで繰り返すようになる。
これらを「条件付け」と呼ぶ。

少々脱線するが、褒めて伸ばすことについて補足・注意点を挙げておこう。

1:「何に対して褒められた/怒られたのか」を理解させ無くてはならない。
このため相手の行動の直後にリアクションするのが理想となる。

(因果関係が不明な限り無意味になる。また、間違った条件付けが発生する可能性がある。)

2:評価する者は何を褒め、何を叱るのかをしっかりと守るべきだ。

(何をやれば褒められる/叱られるのかが決まっていないと、褒められると思ってやったことで叱られたといった場合に強力な「負の弱化」が発生する。二度とやらなくなるだろう。弱化については後述する。

また、このような混乱が長く続くとやがて自分で考えることを放棄し、全て他人の顔色を伺い、形だけの真似をし、全く考えずになんでも聞いてくる人間になる可能性がある。)

3:「褒めて伸ばす」をしたいなら、「条件付き愛情」について学ぶべきだ。

(褒めて伸ばすと言うのは他者承認欲求を逆手に取って行われる。
やり過ぎると「言うことを聞いている間は愛してやる」と言う親から子供へのメッセージとなる。
また、子供の「言うことを聞かなければ見捨てられる」といった強迫観念を育てることになる。


加えて言うが、そういった子供の強迫観念に対して優越感を抱く病的な親もいる。
「毒親」なんて言われているタイプだ。
この場合、子供が親の顔色を伺うことに対して感じる優越感に、親が「中毒」になっている。

こういった関係を条件付き愛情という。成人後、苦労する原因でもある。
例えば完璧主義者がそうなる理由としても挙げることが出来る。
完璧でなければ認めてもらえない、と。自分には価値がない、と。
完璧主義は精神医学では精神疾患として数えられている。)

まとめると、「叱る/褒める理由をはっきりさせ、相手の行動の直後にリアクションをし、あまりこれには頼らない」というのがポイントとなる。

ハッキリ言って結構頭を使う。叱るも褒めるも楽じゃない。責任もある。
正直、ほめて伸ばすという概念を知らない人間もいないだろう。
どちらかと言うと、「上手に行い、尚且つやり過ぎないために」知っておいたほうがいいものだ。





 





オペラント条件付け

スキナー型条件付けとも言われるのだが、行動主義心理学の理論としてそういったものがある。

これは、「自発的に行動する様に仕向ける」ことに対しての分析だ。
「褒めて伸ばす」もこれに該当する。

オペラント条件付けには以下の4つの概念がある。

  • 1:その行動を高めることを指す「強化」
  • 2:その行動を低下させることを指す「弱化」
  • 3:その行動を高める刺激である「強化刺激」
  • 4:その行動を低下させる刺激である「嫌悪刺激」

「褒めて伸ばす」で言えば褒めることは強化刺激、叱ることは嫌悪刺激(のつもりで親はやる)である。
一見これらが強化/弱化だと思うかもしれないが、強化/弱化と言う言葉は行動に対して使われる言葉だ。
余計やるようになったら強化、あまりやらなくなってきたら弱化という認識でいい。

相当ややこしいのだが、これらの要素は基本的に「結果」で語られるものだ。
結果で語るので、褒めるのが強化、叱るのが弱化とは限らない。

強化と弱化は正と負がそれぞれある。
例えば頻繁に褒めていればあなたが近くにいるだけで子供は何か褒めて貰えそうな手伝いは無いかと考えるだろう。この場合あなたが近くにいる事自体は正の強化(強化刺激の出現)となる。

簡単に言えば、強化刺激や嫌悪刺激の「出現」を正、「消失」を負とする。
これに加えて先程の強化、弱化を組み合わせて正の強化や負の弱化と呼ぶ。

あなたが席を立つと子供のやる気が無くなるのなら、それは負の弱化(強化刺激の消失)と呼ばれる。誰も見ていない所では何もしない子供などが代表的。

反対に頻繁に叱っているならば、怒られるようなことはしないようにあなたが近くにいる場合には大人しくなるかもしれない(嫌悪刺激の出現による弱化)。
この場合あなたが近くにいる事自体が正の弱化になる。

あなたにいつも怒られてばかりいて、それが嫌であなたがいる時は片付けやら宿題やらをするとしたら、それは正の強化(強化刺激出現の強化)になる。

あなたが見当たらないとやりたい放題やるようなら、これは負の強化である(嫌悪刺激の消失による強化)。
厳しい親だと、子供は親の目を盗んで悪さをするようになるのはこれが理由だろう。

正と負と言っても正しいかどうかとは関係ない。

あまり健全ではないのが分かるだろうか。他人が基準だからだ。
自主的な行動で強化弱化や正負が決まると行っても、この話では刺激(他人)の有無で右往左往している。

自発的な行動は育つだろうが、自主性そのものは全く育たない。
「ミニ脚本」のドライバーである「他人を喜ばせろ」と言う意識が肥大化するだけだろう。
自分の人生を生きられないかもしれない。

やはりこういった知識は自分に対して使うべき物だと私は思う。特別難しい話でもないだろう。あなたの好きな物、つまりは「お楽しみ」を「ご褒美(強化刺激)」にすればいい。

要するに、やらなきゃいけないこと(疲労や苦手意識を感じるような)と自分が喜ぶことに関連性があると脳の自動学習装置に覚えさせる。
その内やらなきゃいけないことは自分が喜ぶことに通じているのだと認識できるようになる。







◆関連リンク
思考・意識:目次

「強化学習」について


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