いじめ、侮辱、過干渉の心理 交流分析:ディスカウント
・単純に「侮辱」や「軽視」を連想すれば大体あっているのだが、「その相手が自分」であることも同じくらい多い。
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◆ディスカウントとは
ディスカウントショップとかのディスカウントと同じ。discount。
基本的には値引き、と訳されるわけだが、この場合のディスカウントには「そもそも数えもしない」という意味合いも含める。
問題を軽視したり、あるいは他人を貶めるといったことを指す。
簡単に言えば、「取るに足らない存在として扱う」。
分かりやすいのはモラハラだ。「お前には価値がない」として、自分の重要性を説く。
パワハラもディスカウントに入るね。「自分は何してもいい」ってのは「お前は何をされても仕方ない」っていう値引きだ。
うん、まぁ、価値がないとか何されても仕方ないのはどっちだって話だが。その内刺されそうだね。
ついでにいうと、過干渉もディスカウントと言える。
「お前は何も出来ないから私がやってあげよう^^」ってこと。
割りとこの「親切」はガチで子供に恨まれることもある。
まぁなんかに対する「侮辱」か「軽視」だと思ってりゃ大体合ってる。
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◆4段階の「値引きの対象」
問題そのもの
問題・対象そのものをなかったコトにする、あるいは気づかないふりをする。
問題の意味
問題・対象の存在は認めるが、それを過小評価する。気にするほどじゃない、大したことじゃないと。
解決の可能性
これを値引きするっていうのは、要するに改善に対する「諦め」。我慢するしか無い、耐えるしか無い、となるか、どうせ良くならないんだからと雑になるか。
問題解決能力
自分や相手に問題解決能力がない、とする認識。解決の可能性自体は認めるが、自他にはそれを実行する能力がない、あるいは自分や相手がやってもうまくはいかないだろう、という軽視。
◆セルフ・ネグレクト
セルフ・ネグレクトは「自分に対するネグレクト」、つまり自分の面倒を見ることを投げ出すことを指す。
行くとこまで行っちゃうと3年間風呂に入らないだとかまぁ、いろいろ。
彼らが抱えている「諦め」は値引きの果て、かもしれない。実際、「より良く見られる」ことは捨てているフシがある。
こうなるきっかけとして、「人間関係の失敗」、「災害被害」が挙げられている。全てではないが、「何らかの喪失」がきっかけとなることは多いようだ。マイホーム、家族、ペット、そして自分の体の一部など。
「それを失敗/失った自分の人生は価値がない」という心理が働くとしたら、ディスカウントと言えるだろう。
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◆自己重要感/自己肯定感
これを求めるのは人生の意義ある仕事である、とかなんとか。
言葉通り、「自分は価値がある」と認識すること。人間相手のディスカウントは必ずこれを損なう結果になる。
要するにディスカウントは自己重要感を損なう「毒」になる。
まぁ、簡単に言ってしまえば「存在否定」であり、ディスカウントを他人に行うのはある意味殺人または加害行為に近い。集団でやれば尚更ね。
辛い現実的な話になるが、ぶっちゃけて言えばどうせやられる。これは「日常茶飯事」であり、息を吐くようにディスカウントするのが「生き方」な人間はかなり多いのだから。
◆精神の吸血鬼
モラハラ加害者は「精神の吸血鬼」と称される場合がある。厳密には、「モラル・ハラスメント」という言葉を作ったフランスの精神科医、マリー=フランス・イルゴイエンヌがモラハラ加害者を指してそう指摘している。
モラハラ加害者の手口としては、
政治的な意見や趣味など、相手の考えを嘲弄し、確信を揺るがせる
相手に言葉をかけない
人前で笑い者にする
他人の前で悪口を言う
釈明する機会を奪う
相手の欠陥をからかう
不愉快なほのめかしをしておいて、それがどういうことか説明しない
相手の判断力や決定に疑いをさしはさむ
『モラル・ハラスメント』(マリー=フランス・イルゴイエンヌ著・高野優訳/紀伊国屋書店)より
見りゃ判るだろう。これらは一言で言えば、「バカにする」行為だ。
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これによって相手をディスカウントし、その反対に己の自己重要感を満たす。
相手は枯れ、自分は潤う。ほら、「吸血鬼」だろう。
イジメとか、モラハラとか、パワハラとかはこんな感じなわけだが、手口はどうあれ目的が同じなことに気付けるだろう。「相手を侮辱することで自尊心を慰める」。
まぁ、こういった結末になる「
心理的ゲーム」を他人に仕掛けるなら化物呼ばわりでいいだろう。
で、今現在「誰だってこのくらいちょっとはやっているだろう。だから自分は大丈夫」と思ってる人間が、多分やばい。
まぁ実際に誰もがやってるんだよ。こういうことを。特にある程度「慣れた」関係では尚更だ。
でも結論は「だから大丈夫」じゃない。「誰もが大丈夫じゃない」だ。
だから毎年盆や正月の集まりでどこかしら殺し合いや傷害事件が起きてるんだろうに。そこまでじゃなくても「親戚の集まりは憂鬱」って人は多いだろう?
それは憂鬱だとか苦手だとかじゃなくて、ディスカウント合戦という排泄物の投げ合いのような真似にうんざりなだけなんじゃないか。
モラハラの場合、
自称被害者が加害者なんていうめんどくさいこともある。この場合は「悪人」というレッテルでの社会的なディスカウントだね。
どうもこう、モラハラに限って言えば値引きするまでもなく人としてダメな奴が「大丈夫なふり」をするために一生懸命スケープゴート用立ててるような印象が強い。で、見透かされると発狂する。
連中の「バレなきゃいい」、「バレたら終わり」という強迫観念もここから来ているのだろう。「自分と同じ」ような人間を探し、あるいは仕立て上げ、そしてディスカウントするということをやっているのだから。
バレたら、自分が今まで相手にやってきたことが「自分がされることこそふさわしい仕打ちだ」ってことになるからね。ご丁寧にその前例を作ったのも自分なわけで。まぁ、さっさとそうなるべきだね。嫌ならやめりゃいい。
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◆センシティブな人たち
上記モラハラ手口一覧もそうだし、
マウンティングの話題でもそうなんだが、前述のようなモラハラ加害者の自作自演を除いた上でも「こうされたからマウンティングだ/モラハラだ」って被害を主張する中には明らかに被害妄想こじらせてるタイプも居る。
こいつらのせいで第三者には状況がよくわからんことが多いし、本当の被害者相手にまず疑ってかからなきゃいけなくなっている。
こういった被害妄想による過剰反応は、一番最初に「自分をディスカウントしている」とも言える。つまりはディスカウントされるに相応である、との自己評価を下している。
人間には認識したものを自分の価値観に合わせたものに修正する機能がある。加えて大抵の場合、赤の他人の独り言でも「自分に向けられたものだ」という誤解を生じさせる。
・誰かが何かを言った→自分に向けられたものだ
・意味がわからないor内容が無難→自分はダメだからきっと自分の悪口だ。意味がわからないのは回りくどい「遠回しな嫌味」を言っているからだ。
とかなんとか。そんな感じになる。
中には「特定のキーワード、特定の表現の仕方をしたからアウト」ってのも居る。
彼ら特有の「どこから来たのかわからない怒り」は、なんてことはない、自分の中から湧いている。理由からして。
いやまぁ、一番厄介なのは実際に「遠回しな嫌味」をするケースもいることなんだが。
これは加害者にも該当することだ。彼らの加害行為の「動機」は、何らかの自尊心の無さにある。嫉妬か、問題解決能力か、漠然とした不安か、自分の存在そのものに対してか。
それを誤魔化そうとして加害行為を「必死に」繰り返す。ある意味「赤の他人を道連れにしている」。関係があるとこじつけて。
さっき言った加害者が被害者を演じるというのも納得だろう。このダメな「敏感さ」は自称被害者と加害者どちらも持ち合わせる同じものだ。だから多分、彼らは本気で自分は被害者だと思っている。
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どこまで言っても誤解か正解かなんて証明できるもんじゃない。この状況で謝罪なんて要求しようもんなら「当たり屋」として加害者にもなりかねない。
意図的に挑発した上で「そんなつもりはない」と言う奴も確かにいるのだが。
自分に早とちりの上に暴走する傾向があると思うのなら、その時にはとりあえず踏みとどまったほうがいいだろう。
まず「直感的に判断」してからその判断の理由を探す傾向が脳にあることは覚えておいたほうがいい。
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つまるところ、加害者達は自分を素でディスカウントしている挙句に他人から血を吸う手段としてもディスカウントを使っているディスカウントの申し子だと言える。迷惑だな。
別に被害者が煽てたり慰めたり励ましてやる筋合いもないだろう。さっさと縁を切るか通報したほうがいい。単純に「邪魔」だからこんな奴らを自分の人生に関わらせるな。「見捨てろ」。
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