うつ病の大きな2つのタイプ
・うつ病は大きく2つに分けることが出来る。
・従来のイメージ通りの「メランコリー型うつ病」と、新しい形である「ディスチミア型うつ病」がある。
・どちらであるかで治療法、対処法が違ってくるので見分けることは重要。
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2つのうつ病の簡単な説明
・一般的に「うつ病」と聞いてイメージするのはメランコリー型である。
・実はディスチミア型はうつ病の病名としては認められていない。診断書にそう書かれることは今のところはないらしい。医師が患者に対して説明に使うくらいはあるかもしれないが。原因もまた、性格が先なのか症状が先なのかよく分かっていない。
・メランコリー型の場合はうつ病であることは隠す傾向にある。ディスチミア型の場合、うつ病であることを隠さずに公言したり、言い訳に使うことがある。「配置転換が必用だと診断書に書いてくれ」なんて医者に頼んだという話もあるくらいだ。
・メランコリー型は自責の念が強い。一方ディスチミア型は他罰感情(人のせいにする、他人を批判する)が強い。
・メランコリー型は薬で完治する可能性がある。ディスチミア型は薬では部分的にしか治らず、根治はしないとされている。
・メランコリー型は全体的に完璧主義的傾向があり、うつ病になってからもなんでもやり遂げようとする。ディスチミア型は仕事などのやりたくないことにだけうつ病の症状が出る。
参照:
あなたはどちらのうつ病になりやすいか?
・興味深いことに、産まれた年代に拠ってどちらのタイプのうつ病になりやすいかが違う。
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メランコリー(親和)型うつ病は、比較的に1965~1970年以前に生まれた方が患いやすく、それ以降に生まれた方は非定型うつ病(新型うつ病・逃避型うつ病・ディスチミア型うつ病)になりやすいという統計があります。
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・また、男女別でもどちらのうつ病になるかは違ってくるようだ。
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20代から30代でかかるうつ病に最も多くみられるうつ病です。
特に、20代から30代の女性が発症する可能性が高く、その8割がこの逃避型(非定型・新型)うつ病であるということが言われています。
最近は若い男性にもみられる症状ですが、逃避型うつ病の7割は女性だと言われています。
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・恐らく世代や性別で価値観が違うため、ストレスを感じるポイント、それを避ける/防ぐ能力や方法も違うせいだろう。
・前の世代の人間は「頑張ればなんとかなる」と思っていたのに対し、逆に現代人は打たれ弱いなんて言われている。
これがそのままメランコリー型は「頑張りすぎた果てに」なるのに対し、ディスチミア型は「傷つかないように」といった印象を受ける原因だろう。
・要するに自分でストレスを作った結果か、周囲からストレスを受けないようにとしたかで分けることが出来る。
現実としてメランコリー型は更に頑張るためにうつ病であることを隠す傾向があるが、ディスチミア型は自分から公言したり嫌いなことをやるときにしか症状が出なかったりと、ストレス源に対する「防御反応」に近い。
・メランコリー型の傾向を「現状維持に努める」と称するならば、ディスチミア型の傾向は「ストレス発散や自己防衛を優先する様になる」と言うことが出来るだろう。
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2つのタイプに共通するうつ病の症状
・何かをやろうと言う意欲が出てこない。
・なにか嫌なことがあったり、プレッシャーを感じることがあると不眠になる。
・朝起きるのが辛い。
・1つのことをやり遂げるだけの集中力が保てずに気が散りやすい。
・悩み事などが頭を巡ってはいるが、それらに結論を出せるほどの思考力はない。
・肉体的にも精神的にも疲労感が在る。
・死について考える。死にたいと思ったり、死の恐怖を思い描く。
なぜ2つのタイプのうつ病があるのか
・実際のところはディスチミア型がうつ病だと診断されるのは、「うつ病の症状があるから」に過ぎないようだ。
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15分ほど一方的にしゃべり続ける。従来型のうつ病では、こういうことはあまりない。ただ、気分の落ち込みといった症状はあったから、とりあえず「うつ病」の診断書を出し、休職してもらった。
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・ディスチミア型に対しては医者も対応に戸惑っている感がある。上記の引用元では「この患者はどちらかと言うと自己愛性人格障害に近い」としている。
・要するに、既存のうつ病(メランコリー型)の定義に当てはまらずにうつ症状が出る人間が増え始めているということになる。これらを区別するためにディスチミア型と言う名前が付けられた。比較的若い世代にディスチミア型が多いのもまたそれが理由だろう。「新型」だからだ。実際新型うつとも呼ばれている。
・以下のサイトにはメランコリー型やディスチミア型、双極性障害(躁うつ病のこと)やその他の症状との類似点からの位置関係の図がある。
見てみるとわかると思うが、ディスチミア型はメランコリー型とは遠い位置にあり、適応障害と部分的に重なっている。適応障害は「ストレスの元がなくなれば自然と元に戻る」とされている。確かにディスチミア型との類似が見られる。
・既存のうつ病とは違う形になるのか。時代が変わり、価値観の変化、個人にかかる責任の変化、求めるものそのものが変わった。結果、避けたいことも辛いと感じることも、要するに「何がストレッサーになるか」自体が変化した。「我慢の仕方」や「発散の仕方」、「逃げ方」などもまた変化した。
・うつ病はそもそも、精神的なものだ。脳が物理的に変わったりもするが、根本的には何をストレスと感じるか、それがどれだけのものかにかかっている。うつ病の症状の多様化は、そのままストレッサーやそれに対する対応手段の多様化を意味しているのではないか。
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